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「早寝早起き」は本当に体にいいのか?…睡眠の新常識

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■不眠症状と病気の不眠症は違う

 60代以上の方の半数以上は、途中で何度か目が覚める、暗いうちから眼が覚めるなどの不眠症状が増えてきます。ただ、不眠症状だけだったら別に慌てなくていい。でも日中に眠気が強いとか、倦怠(けんたい)感がある、イライラして集中できないとかの問題が出てきたら、これはなかなか自然には良くならないということが分かっていますので、かかりつけの医師に相談したほうがいい。

 つまり、昼間が問題です。昼間の体調がいいかどうかが、最大のポイントです。実際に不眠症状があったとしても、日中に問題がなくて元気に過ごしている方は、不眠症状をもっている人の3人に2人くらいはいらっしゃいます。昼間の症状が出てくると苦しくなって、その段階で「不眠症」という病名が付くことになります。これは治療が必要だということです。

 

人口の3割は夜型

 現役世代では、早起きをすると、睡眠時間が短くなります。早起きした分だけ、早寝をすれば同じ睡眠時間が得られるのですが、できる人とできない人がいる。できる人は、朝活推進派だと思いますけれど、体質的に早起きすることが難しい人もかなりいらっしゃるんですね。そういう人は早起きした分だけ寝不足になってしまって、その分、体に負担がかかっていく。

 朝早い出勤を求められた時、誰でも2週間くらいは苦労するんですね。欧米のサマータイムもそうですけれど、最初はなかなか苦しい。切り替え直後の時期に交通事故や心筋梗塞が増加することも知られています。さらに、何週間たっても早起きが楽にならない、睡眠時間が短いままという人も結構いて、この場合、生活習慣病やうつ病などのリスクが高まることが知られています。

 朝型と夜型、睡眠時間の長短は個性で、以前はフレックスタイム制とか少し自由度を高くしていく流れだったと思います。しかし、最近はそれが変わってきていて、朝型勤務と朝活とか導入されています。それは、一部の人にとっては、体質に合わない生活を強いることなのです。なぜ社会の風潮がそういう一方向に走っていくのかなと、疑問に思います。

 例えば、高校時代から大学時代にかけては、ホルモンの影響などによって、同じ人でも早起きが苦手になる時期なのです。でも朝、登校時間が早いから、子供たちがみんな寝不足になっているのです。今、早寝早起き運動とかやっていますけれども、アメリカとかイギリスは逆です。例えば、イギリスでは6万人の高校生を朝10時登校にしたのです。そうすると、たっぷり眠れて、成績も上がりました。大きな社会実験ですけれど、成功しているんです。個人に強制するのではなく、個人や世代に合わせて、社会時刻を変えてやるという考え方もあっていいのではないでしょうか。

 

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 夜間の人工照明ができてから、光の影響もあって、人の体質はどうしても夜型に傾いています。それにもかかわらず、登校時間や出社時刻はずっと変わらないで来ていますので、どうしても歪みに陥って苦しい思いをしている人たちがいます。「夜型」、「超夜型」が全体の3割は存在します。この中には、朝型生活に変えたときに、体がなじむ人もいますが、なかなか移行できない人もいる。「中間型」の人にも、それ以上早起きできない人もいます。体質的に厳しい人がかなりいます。

 

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