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からだコラム

[栄養で治す]誤嚥性肺炎防ぐ取り組み

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  嚥下えんげ 障害はのみ込みの障害です。のどの前方には気管という空気の通り道があり、その背中側に食事や飲み物が通る食道があります。のみ込む時には通常、食べ物が誤って気管に入らないようにふたが閉じられ、窒息や 誤嚥性ごえんせい 肺炎が起きない仕組みになっています。しかし、嚥下障害になると気管のふたが閉じられなかったり、閉じるタイミングがずれたりして、肺炎や窒息が起きてしまいます。

 とくに誤嚥性肺炎は高齢者に多く、肺炎を起こした細菌が薬に耐性を持ち、治療が難しくなることがあります。ですから肺炎予防に努めるとともに、もしかかってしまった場合は完全に治すことが大切です。

 嚥下障害のある方への食事は極めて危険性を伴うため、慎重さが求められます。

基本的には、口の中で食事がばらけないように、とろみをつけて提供するわけですが、その程度も患者さんによって様々ですし、嚥下障害自体が複雑な疾患ですので、全ての患者さんで同じように対応するわけにはいかず、時間も労力も知恵も必要となります。

 入院中の食事代は、「入院時食事療養費」として1食640円と国が定めています。医師の指示で、治療のために糖尿病食や腎臓病食などが提供された場合は、1食76円が特別食加算されます。しかし、嚥下障害の患者さんにとろみをつけた食事を出しても特別食加算はなく、施設の取り組みには温度差があります。

 私たちの病院では昨年9月から嚥下障害プロジェクトを開始し、おいしく衛生的で安全な食事を提供する取り組みを行っています。今のところ、食事による誤嚥性肺炎が発症した例はありません。高齢化社会を迎えて、このような取り組みが多くの医療機関で行われることを期待しています。(宮沢靖・近森病院臨床栄養部長、管理栄養士)

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