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熱中症―子供の”もしも”に慌てない(1)

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救急医が都内保育所で救急処置講座

熱中症―子供の”もしも”に慌てない(1)

 子供の周りは危険がいっぱい。おもちゃをのみ込んで窒息、ドアに挟んで指切断、テーブルの角に頭をぶつけて大出血、嘔吐(おうと)や下痢が止まらない、熱中症でぐったり...そんなわが子の”もしも”に慌てないための救急処置講座が、救命救急医の海老原直樹先生を講師に、東京都内の保育所で開催された。その1は熱中症について。

水が飲めない場合はすぐ病院へ

 子供は熱中症や脱水症になりやすいといわれている。それは、自分で脱水に気づきにくいほか、幼い子では自ら水分を取ることができないからだ。もし、子供が熱中症にかかってしまったら、痙攣(けいれん、熱痙攣)や失神(熱失神)を起こすと慌ててしまいがち。しかし、こうしたケースは体を冷やしたり水分を取ったりすることが大切になる(Ⅰ度熱中症)。

 気を付けなければならないのは、頭痛や吐き気、嘔吐(おうと)、全身がだるい、意識が何となくおかしいなどの症状が出た場合(Ⅱ度熱中症)。特に、吐いてしまい水が飲めない場合は速やかに病院に行った方がいいようだ。なお、さらに症状が強いⅢ度熱中症もあり、未然に防ぐことが重要となる。

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 また、熱中症のときは水分だけでなく塩分も失われており、この状態で水だけ飲むと、より脱水が進むといわれている。そのため、経口補水液やスポーツ飲料などを飲むのが推奨されているが、経口補水液が苦手な子供は少なくない。その場合、子供がお気に入りの飲み物でも構わないという。

 「経口補水液が良いからといって、ムリに飲ませて吐き出していたら元も子もありません。お子さんのお気に入りの飲み物を知っておいて」(海老原先生)

○参加した保護者との質疑応答

Q 外出を控えた方がいい気温の目安は?

A 厳密にはありませんが、保護者が外に出て危ないと思った日や、風がない日は熱中症になりやすいので、やめた方がいいかもしれません。どうしても外出しなければならないなら、夕方以降にずらすのも手ですね。

Q 赤ちゃんに直射日光が当たるのは良くない? ベビーカーのひさしからはみ出た脚とか。

A 極力避けた方がいいと思います。タオルなどをかけるよりも、日傘や専用の日よけなどを活用するといいでしょう。

Q 子供同士で遊んでいて熱中症の症状が出てしまったら?

A 日陰に入って座って休んだり、水分補給をしたりすることが大事。意識がはっきりしない場合は家族と救急車を呼ぶよう教えてください。

Q 冷却枕で冷やすならどこが最適?

A 血液を冷やすと効率的に体が冷えるので、(動脈が近い)首、脇の下、脚の付け根が良いとされています。

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kenkohyakka

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