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講談でてんかんへの理解広げる

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講談でてんかんへの理解広げる

撮影・安斎晃

  のう さん   66

 パン、パンと扇で台をたたく音とともに、「皆さんはてんかんを知っていますか」。通る声と小気味よいテンポで講談が始まる。

 看護部長として働いていた千葉県内の病院での出来事が題材。発作で欠勤が続き辞めようとする介護職員を看護部長が患者の集まりに連れて行く。「親は気合で治せって言うんです」「愛か、愛はいいな」「違うんです。気合で治せって」

 自身もてんかん患者。28年前、昼間から翌朝まで働き、学会に出席後、夏休みの前夜に倒れた。「脳も疲れたんですね」

 副作用に苦しみ、服薬を中断して発作に襲われたこともある。現場勤務から離れ、「私の人生終わりだ」と落ち込んだ。うつ病も患った。

 病院を辞め、他の患者や家族に病気のことを伝え、思いを共有したいと講談塾に通って講談を創作した。

 昨年度まで教授を務めた神奈川県立保健福祉大学で毎年、学生に講談を披露し、「患者の心情が伝わる」などの感想が寄せられる。

 講談では患者仲間が介護職員に語りかける。「病気も神様からもらった物だと思う。だから大切にしなきゃ」。色んな病気の患者に伝えたい自分の思いだ。(医療部 原隆也)

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