いきいき快適生活
介護・シニア
習慣見直し、夏の疲労回復
連日の猛暑で体力の低下や夏バテに悩む人もいるだろう。
夏の疲れは、秋以降の体にもダメージを残す。入浴や食事の習慣を見直して、疲れを少しでも軽くしておきたい。
シャワーより湯船
まず入浴の習慣を見直してみよう。暑いからと、シャワーだけで済ませていないだろうか。温泉入浴指導員の資格も持つ、入浴剤メーカー「バスクリン」(東京)の広報担当、石川泰弘さんは「暑い時期こそ、湯船につかることが疲労回復につながります」と話す。
入浴では「血行促進」「リラックス」などの効果が得られる。栄養や酸素を運ぶ血液の流れが良くなるので、体内の細胞の修復も速まり、疲れがとれやすくなる。エアコンによる冷えと、外気の暑さとの寒暖差は自律神経を乱し、疲れが出やすくなるため、お湯でリラックスすることは夏場も大切だ。
汗まみれの体を清潔に保つのにも、シャワーより入浴が効果的だ。湯船で体を温めると皮膚の毛穴や汗腺が開き、汗くささの原因である皮脂汚れも落ちやすいという。
お湯の適温は38~39度。入浴時間は15分程度が良いとされる。「湯船が苦手な人は、入ったときに心地よいと感じる温度にし、時間も短めでかまいません。うっすら汗が出てきたら体が温まった目安」と石川さん。帰宅が遅い場合でも、寝る1時間~1時間半前までに入浴すれば、寝付きも良くなるそうだ。
ただし、日中に汗をかいているので、入浴中や入浴後には水分補給をしよう。また、暑さで体があまりに疲れ、軽い熱中症のような症状があるときは、入浴にこだわらない方がよい。体調を落ち着かせることを最優先させる。
食材は豚肉お薦め
食生活にも気を使いたい。管理栄養士の牧野直子さんは「食事の乱れは数か月後に体の不調として出ます。秋から冬に風邪を引きやすい人は、夏場に栄養不足になっていることがあります」と話す。
食事に必要なのは、〈1〉ご飯やパンなど、糖質を含む主食〈2〉肉や魚、卵、大豆製品など、たんぱく質や脂質を含む主菜〈3〉野菜など、ビタミンやミネラルを含む副菜――だ。この三つを可能なら1食ごと、忙しい場合は1日の3食で満たすようにしたい。「そうめんだけ、肉だけ、などの偏った食事は、夏バテを招きやすい」と指摘する。
夏にお薦めの食材は豚肉。糖質をエネルギーに効率よく変え、疲労回復効果の高いビタミンB1を豊富に含む。ビタミンB1は、ニンニクやネギ類と一緒に食べると効果が一層高まるという。「豚しゃぶに薬味を添えたり、豚汁にしてもいいです」と牧野さん。
ビタミンやミネラルの中には汗とともに排出されるものがあり、特に夏は補給が不可欠だ。旬のトマトやキュウリのほか、果物ならカリウムを豊富に含むスイカやメロンがお薦め。カリウムは、体の水分バランスを調整する、この時期に大切なミネラルだ。
「外食でも冷やし中華やビビンバのような、主食に肉類や野菜類も一緒になったひと皿料理なら、夏の栄養補給に適していますよ」と牧野さんはアドバイスする。
(上原三和)
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