筋ジストロフィーの詩人 岩崎航の航海日誌
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希望することの力を信じる
前回の連載では、なぜ「ひとり暮らし」を考えたのか、その背景を書きました。
現在、私は障害者総合支援法(以下、支援法)によって制度化された介護サービスを利用しています。介助などの支援がなければ日常生活を送ることができない人に、必要な支援を保障する大切な制度、命綱といってもよいでしょう。おおよその仕組みとしては、市区町村に介護給付の申請を行い、必要が認められれば支給量○○時間/月という形で決定されます。その後、介護事業者との契約により実際の介護を行ってもらいます。報酬は支援法に基づいて額が決まっており、市区町村から事業者に支払われます。
障害福祉サービスの一部をまとめた表を作りました。
参考:WAM NET「障害者福祉制度解説」/ 全国社会福祉協議会「障害福祉サービスの利⽤について 平成27年4⽉版」/ 仙台市 公式ホームページ
毎月、私が受けているのは、表のうち「居宅介護」のなかの「身体介護」が188時間、「家事援助」が30時間、「通院等介助」が28時間。「地域生活支援事業」での「移動支援」64時間(※2人制での時間)。仙台市の独自制度「全身性障害者等指名制介護助成」60時間。これらを内容に応じ、組み合わせて介助を得ています。
「計画相談支援」は、制度利用や障害者支援について精通した有資格の相談支援専門員(以下、相談員)が「サービス等利用計画」をつくり、本人が自分の生活実態に基づいたサービス利用ができるように市区町村の障害者支援担当部署、介護・看護事業所、在宅療養支援診療所などの関係者と連携して調整を図ります。また利用計画に沿って適切にサービス提供が行われているか、変更の必要がないかを定期的にモニタリングし、実情に合わせて本人が主体的に生活が営めるよう継続的に支援するもので、私も利用しています。相談員は介護保険でいうところのケアマネジャーの役割にあたります。
仕方ないと諦めることをやめよう
ところで、皆さんは「障害者総合支援法」を読まれたことがあるでしょうか。「細かい法律なんて難しいから専門家しか読めない」とまでは言わないまでも、それに近い感覚の私なのですが、障害を持って生きる人の暮らしに直結していて、人生も左右するほどの影響をもたらす法律。我がこととして読まなくてはいけないと思い、最近読んでみました。
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当事者同士の横の連携を強めて
かもちゃん
ALSの方の在宅生活を支援していた頃の経験をお話しします。 岩崎さんの指摘される通り、人工呼吸器をつけて生活している難病患者の方は障害者総合支援...
ALSの方の在宅生活を支援していた頃の経験をお話しします。
岩崎さんの指摘される通り、人工呼吸器をつけて生活している難病患者の方は障害者総合支援法の重度訪問介護と介護保険を併用して見守りを含む24時間の介護を受けることが可能ですし、現にそれで独り暮らしをされている方も珍しくはありません。
一方で、相談支援専門員の制度理解の不充分さや、地域によってはヘルパー確保が難しいなどの問題があるのも事実です。
情報不足や人材不足の問題を解決していくためにも、ぜひ患者さん同士や支援者を含めた横の繋がりを拡げることをお勧めします。
地道な努力ですが、当事者のみなさんが諦めずに声をあげていくことがとても大切だと思います。
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同感です
さっちゃん
いつも大切にこのコラムを読ませていただいているケアマネジャーです。 思わずメッセージを書かせていただきました。 今回は特に、支援を仕事にさせてい...
いつも大切にこのコラムを読ませていただいているケアマネジャーです。
思わずメッセージを書かせていただきました。
今回は特に、支援を仕事にさせていただいている者にとって特に大切なメッセージをいただきましたように思います。
岩崎さんの思いは支援を必要とされている方すべての方が感じておられることと思いますし、それを出発点にした介護でなければいけないと思います。
この思いを胸に日本の片隅で少しでも貢献できるケアマネでありたいと思います。
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