イグ・ノーベル・ドクター新見正則の日常
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英雄の告白、葛藤…ドーピングに思いを深めた週末
毎週このコラムを連載するため、火曜日に原稿を送り金曜日にアップします。いままで一度も遅れたことはありません。火曜日に原稿をメール送信した後から、次の原稿の思案を始めます。7日間思いを醸造して、そして火曜日に約1時間で書き下ろします。そんな生活を約3年間送ってきたことになります。
オリンピックが終了し、日本もメダルラッシュに沸き、すばらしい2週間でした。日本体育協会スポーツドクターでもある僕が誇りに思えるのは、日本がこれまでオリンピックで一度もドーピング陽性でメダルや入賞の取り消しを受けていないことです。ドーピングとは運動能力向上のために薬物などを使うことで、スポーツが求めるフェアプレーの精神に反し、またアスリートの健康を害する可能性があるから禁止されているのです。
相模原の大量殺人事件、世界を
ツールドフランス 英雄の告白
僕の趣味はトライアスロンです。50歳の
僕がお世話になっていたロードバイクの自転車屋さんに貼ってあったポスターはランス・アームストロングのものでした。トライアスロン出身で自転車競技に転身し、精巣腫瘍の脳転移というがんの末期の病状を克服して、なんと1999年から7年間ツールドフランスを連覇しました。ロードバイクに興味があるひとなら誰でも知っている英雄でした。ツールドフランスは毎年7月に約3週間にわたって開催され、3000km以上を走る世界最高峰のロードレースの大会です。
そのランス・アームストロングが2013年にテレビ番組でツールドフランスを連覇する以前からドーピングを行っていたと告白しました。あまりの強さに以前からドーピングを行っているのではないかと
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