いきいき快適生活
介護・シニア
食べやすく調理工夫…とろみ、軟らかさ
高齢になると、食べ物をかんだり、のみ込んだりすることが難しくなる。食が細くなりがちだが、とろみをつけるなどの工夫によって、食べやすくなる。
食事は通常、食べ物を歯や舌でかみつぶし、塊にした後、のみ込んで食道へ送る。しかし、これらの機能が衰えると、誤って気管に入る
京都府、滋賀県で活動する「京滋摂食
かむことが難しい場合は、食材を薄く切ったり、軟らかくしたりするのが基本だ。野菜や肉は繊維に垂直に包丁を入れる。のみ込む力が落ちている場合は、とろみがあると食べやすい。料理に混ぜて使う様々なとろみ剤がスーパーなどで売られている。「水にとろみをつけ、料理と交互に取るという方法でも、のみ込みやすくなります」と樹山さん。ぬめりがある食材を使うのも一策。ゆでたサトイモをミキサーにかけ、おかゆに混ぜると、とろみがつき、食物繊維も取れる。
役立つ加工食品や調味料もある。例えば、缶詰の魚は身がほぐれやすく、骨まで軟らかい。肉はスーパーなどで手に入る酵素入りの調味料を調理前に振りかけると、肉の繊維がほぐれて食べやすくなる。野菜は重曹をひとつまみ入れてゆでると、軟らかくなる。
一方、ビスケットなど「ぱさぱさしたもの」、イカやコンニャクなど「ぐにゃぐにゃしたもの」は誤嚥しやすいので注意したい。よくむせるなどの症状があれば、食べる機能を評価してくれる医師や言語聴覚士に診てもらうと安心だ。
荊木さんは「食は人生の喜び。家庭の味をいつまでも楽しむための工夫を多くの人に知ってほしい」と話す。
各食品メーカーも、具材の軟らかさや大きさを調整した加工食品に力を入れる。
食品メーカーなどでつくる「日本介護食品協議会」(東京)は、「歯ぐきでつぶせる」「かまなくてよい」など、食べる力に応じた4段階の規格を設け、基準に適合したものを「ユニバーサルデザインフード」に認定している。数は年々増え、現在は約1800種類の商品にマークと区分が表示されている。
手軽な介護食レシピ
(いずれも2人分)
■サバ水煮缶の落とし焼き
サバ1缶分をボウルに入れ骨を手でつぶす。タマネギ1/4個のみじん切り、卵1個、小麦粉大さじ4杯、ショウガのすり下ろし(チューブ入りで可)、しょうゆ各小さじ1杯を加えてよく混ぜる。熱したフライパンにスプーンで落とし入れ、両面を焼く。*ツナ缶やイワシ缶でも
■卵豆腐のポタージュ
卵豆腐2個、はんぺん60g、水(または牛乳)100cc、顆粒(かりゅう)だし少々をミキサーにかける。鍋に移し替えて火にかけ、一煮立ちさせる。
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