予防医学研究者・石川善樹の「続けたくなる健康法」
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自分の味覚のルーツを知る
こんにちは。
予防医学研究者の石川です。
先日のことなのですが、目黒にある「らかん亭」という精進料理のお店に行きました。「体にやさしく、見た目にきれいで、おいしい精進料理」をモットーにしており、大変おいしくいただきました。
夏と冬で異なる大根の調理法
そもそも精進料理は、肉などのぜいたく品を使わずに、限られた野菜のうま味で作らないといけないため、調理がとても難しいそうです。たとえばご主人に教えてもらったのですが、同じ大根でも夏と冬とでは調理の仕方を変えるようです。
(読者のみなさまにとっては常識なのかもしれませんが)冬の大根と違って、夏の大根は部位によって味が異なるため、味をそろえるために部位ごとに調理方法を変えるのだそうです。
<精進料理の知恵>
郷土料理を調べてみよう
一方で、こうした精進料理が培ってきた知恵なり技術は、だんだん継承されなくなってきているようです。考えてみれば、精進料理に限らず、日本各地で作られていた郷土料理も、だんだんなくなってきており、都会育ちのため、そもそも食べたことすらないという方も増えているのではないでしょうか。
かくいう私も、広島の瀬戸内海に浮かぶ島で生まれ育ったものの、小学校3年生から東京に来ているため、自分が小さいころ一体何を食べて育ったのか、忘れつつあります。
そこで早速、調べてみると、農山漁村文化協会(農文協)が、全国の郷土料理のデータをまとめた全50巻の「日本の食生活全集」を発行しています。これは大変面白い資料で、郷土料理はもちろん、それぞれの郷土で人々がどのような想いで暮らしていたのか、詳細な記述とともに紹介されています。ウェブのデータベースは有料ですが、本の紹介ページ(http://www.ruralnet.or.jp/zensyu/syoku/)や、日本の食生活全集に関する「ほぼ日」さんの紹介記事(https://www.1101.com/editor/2005-09-27.html )で概要が分かります。
ぜひ皆様もご興味があれば、自分の郷土の巻を手に取って、味覚のルーツを調べてみてはいかがでしょうか?! きっとそこには、懐かしくておいしい、そしてヘルシーな料理も多いはずです!
それではまた次回!
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