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医療相談室

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障害持つ35歳娘、膣周辺に異常

 重度の知的障害がある35歳の娘のことで相談です。1年半前、 膣口ちつこう の右側に何かが垂れ下がったようなものがあるのに気づきました。痛みやかゆみはないようですが、徐々に大きくなっているように見えます。娘は病院を怖がるため、治療すべきかどうか迷っています。放置しても大丈夫でしょうか。(63歳女性)

脂肪腫か、このまま経過観察を

川越 俊典 産業医科大学 産科婦人科学講座 准教授(北九州市八幡西区)

 膣や周辺の陰部に 腫瘤しゅりゅう ができる病気には、良性腫瘍の脂肪腫と線維腫、悪性腫瘍、 毛嚢もうのう 炎、バルトリン腺 嚢胞のうほう尖圭せんけい コンジローマ、 粉瘤ふんりゅう 腫などが考えられます。症状を踏まえて検討すると、相談者の娘さんは脂肪腫が疑われます。

 脂肪腫は痛みがなく、軟らかく、弾力のある腫瘤で、表面は平らです。また、ポリープのような形状で発生することもあります。良性腫瘍で、小さいものならば自然治癒することもあります。あまり心配する必要はなく、放置しても大丈夫だと思われます。

 しかし、人によっては徐々に大きくなることもあります。5センチ以上になった場合や、急速に大きくなった場合は、頻度は低いですが、悪性腫瘍(脂肪肉腫)の可能性もあります。また、表面に凹凸があり、硬く、 壊死えし を伴う場合も注意が必要です。この場合は摘出して、組織検査をする方がいいでしょう。

 娘さんのケースでは、このまま経過観察を続けても大丈夫だと思われます。もし、病院に行く際、障害があることで診察が難しくなる可能性があるならば、開業の産婦人科クリニックよりは、総合病院の産婦人科に行く方がいいでしょう。小児の治療でも行われていますが、場合によっては麻酔をかけて診察することができ、総合病院ではそのような対応も検討されます。

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