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からだコラム

[栄養で治す]「厨房の管理職」扱いの日本

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 4か月の滞在許可で渡米しましたが、延長が認められ、結果的に2年5か月留学し、1995年に帰国しました。その間に幸い、米国の学会が認定する、臨床専門の栄養士の資格も取得することができました。

 帰国後、米国での経験を生かし、病棟での仕事に取り組みましたが、「管理栄養士は 厨房ちゅうぼう の管理職」という渡米前と変わらぬ日本の現実に直面しました。

 勤務した長野市内の自治体病院では、院長も医師も「管理栄養士は食事を作る人」という認識しかありませんでした。着任時、私は医療事務課栄養係の職員として採用されました。

 当時の看護部長の方針で「ホテルのようなお食事を提供しなさい」と言われ、支給されたユニホームは紺色のブレザーに白ズボン。レストランのウェーターのようでした。つい先日まで、米国の大学病院の集中治療室で働いていた私は、日米の差に落胆しました。

 こうした状況で管理栄養士本来の仕事をするにはどうすべきか、必死に考え、「患者さんのためにできることを最大限実行し続ける」という留学先の恩師の言葉を思い出しました。

 自分の価値観や考え方を転換し、「大切なことは自分の立場や環境ではない。患者さんが一日も早くお元気になり、ご家族のもとに帰ることだ」と思うようになりました。患者さんをよく診て、話に耳を傾け、医師や看護師と情報を共有し、米国で得た知識や経験をもとに全力投球で栄養サポートに取り組みました。

 すると、どこの世界でも同じだと思いますが、「一生懸命さが伝わる」という現象が私の周りにも起き始めたのです。医師や看護師だけだった医療の輪にいつの間にか私が溶け込み、その輪の中に「管理栄養士がいないと困る」という状況が生まれてきました。(宮沢靖・近森病院臨床栄養部長、管理栄養士)

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