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落語家 桂歌丸さん

一病息災

[落語家 桂歌丸さん]肺気腫(2)集中治療室でも笑わせる

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[落語家 桂歌丸さん]肺気腫(2)集中治療室でも笑わせる

 29歳で笑点の大喜利レギュラーになった。37歳で独演会を始める。一見、順調に見える出世街道も、実は病気が“旅仲間”だった。

 「あたしは多病息災。病気の数でギネスブックに載りたいわけじゃないけどね」

 若い頃からのメニエール病で、左耳は常に耳鳴りがする。40歳代でヘルニアを患って以来、蓄のう症、胆のう摘出と手術が続く。

 2000年、60歳過ぎでの急性 汎発はんぱつ 性腹膜炎は、さらに大ごとだった。自宅で突然、激しい腹痛に襲われた。七転八倒して、声も出せない。救急車に乗った瞬間、意識を失った。

  腹腔ふくくう 内全体に炎症が広がり、緊急手術が始まる。手術前の集中治療室。かけつけた娘が話しかけた。

 「お父さん、あたし、誰だか分かる?」「ブタ」

 「何がほしい?」「カネ」

 娘は、のけぞった。意識もうろうなのに、お客を笑わせるつもりでいる……。

 落語家の暮らしは不規則で、教科書通りの健康管理はできない。肉を食べないなど、偏食も直さなかった。「今の時代、医者から『太ってくれ』と頼まれるのは、あたしくらい」

 病気が重なってもへこたれない。「負けちゃいられない」から。ただ、こうも考えた。「病気とけんかしちゃあいけない。本気でやったら、相手にかなうわけがない。向こうの言い分も聞いて、ある程度は仲良くしてやっていこう」と。

 

  落語家  (かつら)   歌丸(うたまる) さん(79)

 

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sokusai_117

 
 

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