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認知症ってどんな症状?
記憶障害や判断力低下
認知症って
どんな症状?
認知症は、様々な原因で脳の神経細胞が壊れるなどして脳の働きが悪くなり、記憶力などが低下して生活に支障が出た状態のことをいうんだ。
年を取れば誰でも、約束の時間を忘れてしまうなど「もの忘れ」がみられるようになるけど、日々の暮らしに大きな問題はない。しかし、認知症は、約束したこと自体を忘れてしまい、指摘されても思い出せない。だんだんと症状が進むのも特徴だ。
脳の病変で起きる症状には、記憶障害のほかに、判断力や理解力の低下もある。季節や時間、場所が分からなくなり、深夜に外出したり、道に迷ったりする。計画を立てて実行するのも難しくなり、仕事や家事でミスを繰り返してしまう。
そうした症状で不安を感じているところに、その人の性格や周囲の関わり方などが影響して、
認知症には様々なタイプがあり、最も多いのが「アルツハイマー型」だ。脳に異常なたんぱく質がたまり、細胞が壊れて脳が萎縮するアルツハイマー病が原因。このほか、脳梗塞や脳出血などによる「脳血管性」や、存在しないものが見える幻視が特徴の「レビー小体型」、性格の変化や非常識な行動がみられる「前頭側頭型」などがある。
発症の詳しい仕組みは分かっていないものが多いが、高齢になるほどなりやすい。厚生労働省研究班の推計によると、認知症の人の割合は70歳代後半から急激に増え、85歳以上になると女性の6割、男性も5割近くに達する。
そのため、高齢化が進むと、認知症の人も増える。推計では、2015年の525万人から、25年には730万人になり、その後も増加し続ける見通しだ。
認知症は、年を取れば、誰もがなる可能性がある。政府は昨年、国家戦略「新オレンジプラン」を策定し、認知症への理解を深める啓発活動の推進や、予防・治療法の開発、本人や家族の視点を重視した施策づくりなどを掲げている。認知症になっても安心して暮らせる社会をつくっていくことが大切だね。(飯田祐子)
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