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ペットと安全に(2)飼い猫にかまれ感染症

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ペットと安全に(2)飼い猫にかまれ感染症

元気だった頃の猫の写真を手に、当時の傷口を指さすA男さん

 シャーッ。2007年夏の早朝、飼い猫の激しく威嚇する声で、福岡県筑後市のA男さん(66)は目が覚めた。

 縁側で網戸を挟んで、野良猫とにらみ合っていた。「これはまずい」。とっさに飼い猫を抱きかかえ、その場から引き離そうとしたその時、右の手首に強い痛みを覚えた。興奮した飼い猫にかまれていた。出血はあまりなかったが、鋭い歯が刺さって5ミリくらいえぐられていた。

 とりあえず自分で消毒を済ませ、いつも通り仕事に向かった。痛みも徐々に気にならなくなった。しかし、昼頃から右腕の様子がおかしくなった。手首が赤くなって腫れ始め、時間とともにひじまで広がり、最後は脇の近くまで腫れ上がった。

 痛みより、ひどい腫れや赤黒い色が気持ち悪かった。「これは診てもらわんといかんな」。A男さんは仕事を終えた夕方、職場近くのかかりつけ医に相談。猫にかまれたと知った医師は、公立八女総合病院(同県八女市)の院長で、動物からうつる感染症に詳しい吉田博さん(現・姫野病院名誉院長)に連絡を入れた。

 かまれて数時間後に患部が腫れ始めたことから、吉田さんはパスツレラ症と診断した。パスツレラ症は、猫や犬の口の中にすむパスツレラ菌に感染して起こる病気だ。ほぼすべての猫がこの菌を持つほか、犬でも75%近くが持っているという報告もある。ペットにかまれたりひっかかれたりして起こる感染症では最も頻度が高い。傷口から感染し、皮膚や関節にうみを伴った炎症を起こすほか、まれに重症化して敗血症になり、死に至ることもある。菌の増殖するスピードが速く、素早い対処が必要だ。

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