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結節性多発動脈炎 治療法は

 74歳の夫は今年3月、手の指が紫色になり、入院しました。足の指も腫れて紫色になり、痛みもあります。「結節性多発動脈炎ではないか」との診断で、難病で治療法がないそうです。ステロイドで痛みを止めていますが、このままでは 壊死えし して足を切断しなければならないそうです。本当に治療法はないのでしょうか。(67歳女性)

血流改善する薬追加し壊死防ぐ

川上  民裕(たみひろ)  聖マリアンナ医科大学 皮膚科准教授(川崎市宮前区)

 結節性多発動脈炎は、中くらいの太さの血管が壊死性血管炎という炎症を起こして発症します。様々な臓器で結節性多発動脈炎は起こります。このため発熱、体重の減少、筋肉痛、関節痛など様々な症状が生じます。残念ながら原因はよく分かっておりません。

 厚生労働省が発表している治療指針があり、治療法がないわけではありません。ただし、治療が効きにくい、病気の進行が速くて治療が追いつかない、といったことがあるので難病とみなされることがあります。治療指針を参考にしてステロイドを中心に投与し、ステロイドが効かない場合は免疫抑制薬などを併用するような方針で治療が行われることが多いです。

 壊死は、手や足の先端が黒くなり腐ってしまう状態で、症状の悪化を意味するサインです。患者さんは腫れて紫色になったとのことですので、壊死ではありません。しかし、血管の炎症で血行不良となり、手足に栄養が行きにくくなっていることが想定されます。壊死へ進む可能性もあります。血流を改善する薬を追加すると良いかと思います。安静を保って病気の進行・悪化を防ぎ、壊死とならないようにしましょう。足の切断は避けるべきです。日常生活の質を大きく落とすうえ、切断しても、その部分がまた壊死になります。

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