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性とパートナーシップ

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そもそも「性」とは?「パートナーシップ」とは?

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そもそも「セックス」とは?「パートナーシップ」とは?

 次回から、インタビュー連載が始まりますが、その前に一呼吸。

 皆様から頂いたコメントを拝読していると、そもそも、「セックスに求めるもの」や「パートナーシップとは何か」という前提に大きなずれがあることがわかります。

 ある人は「セックスとは生殖のための行為で、子どもが生まれたら必要ない」と言いますし、ある人は「セックスとはパートナーとのコミュニケーション」と信じ、また別の人は「快楽を得る手段」と考えています。

 「パートナーシップ」についても同様に、様々な考え方があります。「家族」という一つの共同体を運営するためのチームとしてとらえている場合もありますし、心の (よろい) を解いて自分をさらけ出せる安らぎの相手ととらえている場合もありますし、いつまでも刺激を与え合う同志のような関係ととらえている場合もありますね。心身が通い合わなくても、一つの家族を維持していくための協力関係を「パートナー」としてとらえる場合もあれば、心が響き合う家族以外の相手をパートナーととらえる人もいます。

 そして、それぞれの前提があったうえで、パートナーシップを築くにはセックスが必要と考える人もいれば、必要でないと考える人もいて、ことはますます複雑になります。

 皆様のコメントを拝読していて、こうした前提のずれが、心身のすれ違いが起きたカップルの話し合いを難しくしているのだろうと感じています。同じ言葉を使っても、その言葉で思い浮かべているものが互いに違う。もし、二人がこれからも共に生きようと思えば、そのずれについてお互いの話に耳を傾けて理解し、二人にとって良い「セックス」や「パートナーシップ」とは何かを探していく作業が必要でしょう。「いやなものはいや!」と相手の思いを (はな) から拒否するのなら、一人で生きていくしかないわけですから。

 セックスするか否かとか、パートナーとしてこの先も一緒にいるかいないか以前に、互いの「セックス観」「パートナー観」に耳を傾ける、理解することが、複雑に絡み合っている問題を解きほぐす一歩になるのではないかと感じているところです。そのうえで、妥協し合うのか、あきらめて別れるか、配偶者との関係は限定的なものだと割り切って、外にセックスやパートナーを求めるかなど、様々な解決法があると思われます。

 この連載を始める前は、これほどいろいろな考え方があることを知らずに、自分の「セックス観」「パートナーシップ観」で判断していたような気がします。ほかのカップルの体験談を知ることは、自分の「セックス観」「パートナーシップ観」が一つのものの見方でしかない、ということを知ることではないでしょうか。少なくとも私のものの考え方は広がったと感謝しているところですが、読者の皆様はいかがでしょう?

 次回からまた、私のこれまでの「セックス観」「パートナーシップ観」をガツンと打ち砕いてくれたかっこいいカップルを研究する学者さんが登場します。ぜひこのインタビュー連載もお楽しみに!

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性とパートナーシップ201505_120px

岩永直子(いわなが・なおこ)

1973年、山口県生まれ。1998年読売新聞入社。社会部、医療部を経て、2015年5月からヨミドクター担当(医療部兼務)。同年6月から2017年3月まで編集長。

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2件 のコメント

鶏が先か?卵が先か?

心と体

どちらが先なのでしょう?

どちらが先なのでしょう?

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RE:心と体

kaz

 同時でしょう。鶏と卵なら順序ができますが、心と体は同時に存在するので順序を必要としません。  もっとも、心とは、何かを考えだしたら切りが無くな...

 同時でしょう。鶏と卵なら順序ができますが、心と体は同時に存在するので順序を必要としません。
 もっとも、心とは、何かを考えだしたら切りが無くなって、心と体の問題から離れてしまうでしょう。

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