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虫歯はなぜできる?…菌が糖を分解、歯溶かす酸

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虫歯はなぜできる?…菌が糖を分解、歯溶かす酸

 大人の虫歯は放置すると、痛みなどに悩まされるだけでなく、骨髄炎や脳梗塞といった他の病気になる恐れもある。

 休みが取れる夏の間に、虫歯につながる生活習慣を見直したい。そのためにまず、虫歯ができる原因とその予防法を理解しよう。

 ライオン快適生活研究所(東京)副主席研究員の平野正徳さんは「虫歯の原因は、口内にいる細菌の一つ、ミュータンス菌」と説明する。

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球状のミュータンス菌の電子顕微鏡写真。右下の塊はグルカン(ライオン提供)

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虫歯が進み、歯の根っこを残して溶けたC4の状態(山口さん提供)

 虫歯菌とも呼ばれ、約1000分の1ミリの球状菌だ。この菌が食べ物に含まれる糖などを分解して、ねばねばした物質「グルカン」を作り、その塊が 歯垢しこう になる。菌は歯垢内で増殖し、糖の分解作業を続ける。分解時にできる酸により、歯の表面を覆うエナメル質からカルシウムやリンなどのミネラルが唾液中に溶け出す「 脱灰だっかい 」を起こす。

 口内では一方で、唾液が酸を洗い流して中和し、溶けたミネラルを元の状態に戻す「再石灰化」も起きている。脱灰と再石灰化のバランスが保たれていればいいが、「間食などで食事の回数が増え、糖分の多い飲食物を頻繁に取ると、脱灰の状態が長く続き、やがて歯に穴が開く虫歯につながる」と平野さん。

 虫歯の進行度は、初期の「 COシーオー 」、治療が必要な「C1~C4」の5段階に分かれる。Cは「カリエス(虫歯)」の略称。COでは歯に穴が開いておらず、痛みの自覚症状もないが、エナメル質の内部はすかすかの状態だ。この時点で対処すれば健康な状態に戻せるが、放置すると虫歯は進行し、エナメル質やその内側の象牙質に穴が開いたり、激しい痛みを感じたりする。C4では歯の根っこまで侵され、最悪、抜歯となる。

 さらに、きらきら歯科医院(長崎市)院長の山口香奈美さんは「虫歯を放置すると、他の病気にもつながる」と指摘する。歯の根の先や顎の骨に うみ がたまり、歯茎の腫れや骨髄炎、頭痛、顎関節症などを引き起こす。虫歯菌は血液に入って全身を巡り、脳梗塞や心筋梗塞の原因にもなる。

歯磨きにフッ素配合剤

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 虫歯予防のポイントは、虫歯菌のすみかとなる歯垢をきちんと取り除くことだ。歯垢を効果的に除去する歯磨きの基本を押さえたい。

 ライオン快適生活研究所は〈1〉歯の再石灰化を促すフッ素配合の歯磨き剤を使う。量は1~2センチが目安〈2〉少量の水で1回すすぎ、フッ素を口の中に残す〈3〉1か所で20回以上、軽い力で小刻みに動かす〈4〉ブラシの向きや角度を変え、隅々まで磨く〈5〉歯間清掃用具も活用する――などを推奨する。食後に歯磨きを励行し、就寝前も念入りに行うといい。

 普段の食事も、糖分を取りすぎず、規則正しい食生活を心掛けたい。また、よくかむことで唾液の分泌量が増え、再石灰化を助けて虫歯予防につながる。「かかりつけの歯科医院で、定期健診や歯磨きなどの指導を受けることも大切です」と山口さんは話す。

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