予防医学研究者・石川善樹の「続けたくなる健康法」
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太ったっていいじゃない、夏
こんにちは。
予防医学研究者の石川です。
先日のことですが、代官山にある蔦屋書店というオシャレな本屋さんに行きました。普段、オシャレから最も遠いところで生きている私は、足を一歩踏み入れた瞬間からあまりの場違いぶりに赤面していたのですが、なんとか我慢して店内にあるカフェに行きつきました。
そこは壁一面に古い雑誌が並べられており、「これは面白そうだ!」ということで、昔の女性誌を読み込んでいました。するといろいろ面白いことが分かったと、いうのが今回のブログの話です。
70年代に流行した「利尿剤ダイエット」
たとえば、1970年代の日本では、「利尿剤ダイエット」なるものが流行していたようです。
「利尿剤ダイエットって何?!」
と疑問を持つ方がほとんだと思いますが、まさにネーミング通りのダイエット法で、「利尿剤を飲んで、水分を出して、痩せよう」というダイエット法なのだとか。
当時は、薬局で気軽に利尿剤が購入できたこともあって、一時期流行したようですが、冷静に考えるまでもなく、あまりにアホらしいダイエットです。
脱水症状や痙攣を起こし、病院に運ばれる人が続出したことに危機感を持った女性誌は、「利尿剤ダイエットは危険だからやめて!」という特集を組むほどでした。
ジャンボは「かわいい」という価値観も
一方で、70年代の女性誌を見ると「太ったっていいじゃない!」という特集記事もたびたび目にします。当時登場したばかりのジャンボジェット(ボーイング747)と重ねて、こんな記事が掲載されていました。
「ジャンボジェット。でっかくてぶかっこうな胴体。太ったおばさんの感じ。暖かみがある。飛行機嫌いだった人でも、なんとなく乗りたくなる。安心して乗っていけそう。
人間だって太っているほうがいい。感受性が豊かで、包容力があって、優しくて、寛大で。ジャンボジェットのスタイルは70年代の型だ。(中略)
……ジャンボ、大きいこと。それは“かわいい”という意味かもしれない」
―ananより引用抜粋
「何てことだ!! なんて新しいんだ!!」
私はこの記事を見たとき、思わず店内で叫んでしまいました(笑)。今の若い女性は、強迫的なダイエット願望のためか、不健康に痩せ過ぎている方も多いです。その人たちはむしろヘルシーに太った方がいいのですが、そのためには社会の価値観が変わらないといけません。
ぜひ、この70年代の雑誌のように、ファッショナブルに新たな「健康観」を提案できるようになりたいなと思いました。
それではまた次回!
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