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夏の登山、無理なく備える…増える遭難、体力・経験に合う選択を

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夏の登山、無理なく備える…増える遭難、体力・経験に合う選択を

登る山の難易度が高いほど、慎重な登山計画と十分な装備が欠かせない(山梨、長野両県にまたがる甲斐駒ヶ岳に向かう北沢峠で)

 登山のシーズンを迎える。冬山より安全だと油断しがちだが、夏山の遭難も特にここ数年多くなっている。自分の体力や経験に合った山を選ぶとともに、服装やリュックの中身も十分な装備にしたうえで、夏の自然を満喫したい。

 警察庁のまとめで、2015年7~8月の山岳遭難は647件。統計の残る1968年以降最多だった。2011年夏に比べると、約3割も増えている。背景にあるのが、登山者の増加だ。ここ十数年の中高年登山ブームに加え、最近では「山ガール」といった若い人にとっても、登山は手軽なレジャーとなった。

 登山やハイキングでの危機管理に詳しい静岡大教授(認知心理学)の村越真さんは、「中高年の場合、転倒による遭難やけがが多かった。ここ数年で増えてきた20~40代の登山者は、転倒こそ少ないものの、地図やコンパスを持たなかったり、適切に使えなかったりしたため、道に迷う人が目立つ」と指摘する。

 不十分な装備と並んで遭難の大きな原因となるのが過信だ。登山経験が少ないのに、夏だからと油断し、2500メートル級の高山に挑戦してしまうようなケースが当てはまる。「高山は岩石が多くて歩きにくく、転倒すると骨折などの大けがにつながりやすい」と村越さんは話す。

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 自分に合う山を探すのに、10段階の「体力度」と5段階の「技術的難易度」の二つの基準で山を分類した「山のグレーディング」が参考になる。山梨、静岡、長野、新潟、岐阜の各県が同様の基準で作っており、県のホームページで公開したり冊子にして配布したりしている。

 このうち山梨県は、最も初心者向けの山として、岩殿山(634メートル)や甘利山(1731メートル)などを挙げる。これらの山なら、転んでも滑落の心配はほぼないという。県観光資源課の担当者は「体力や経験を考え、無理のない山を選んで」と呼びかける。

 ただし、初心者向けの山であっても、服装や持ち物はしっかり備えておきたい。

 東京都の奥多摩で自然散策ツアーなどを行う奥多摩ビジターセンターは、「夏山で特に注意すべきは、夕立など急な天気の変化と熱中症です。雨具や水は必ず持ってほしい」と強調する。

 携帯電話やスマートフォンはバッテリーとともにリュックに持っておこう。最近は携帯電話の電波が山中にも広がりつつある。つながれば、万一の時に救助要請ができるうえ、全地球測位システム(GPS)を使って、居場所を救助者に伝えることもできる。

 遭難した場合に捜索の手がかりとなるのが登山届(登山計画書)だ。主な通過ポイントや通過する予定時間、自宅や緊急連絡先の電話番号も記入し、登山口のポストなどに入れる。麓近くの交番などでも受け付けている。

 とはいえ、必ず自力で下りてくることが登山の基本だ。村越さんは「経験者のアドバイスを受けるなどして慎重に計画を立て、安全に山歩きを楽しんでほしい」と呼びかけている。(福士由佳子)

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1件 のコメント

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迷惑を掛けないレジャーを

千代丸

私自身、過去にスクーバダイビングで事故を起こし様々な方面の方に多大な迷惑を 掛けた苦い経験が御座います。この時の私を振り返りますと、経験不足でし...

私自身、過去にスクーバダイビングで事故を起こし様々な方面の方に多大な迷惑を
掛けた苦い経験が御座います。この時の私を振り返りますと、経験不足でした。
故に、自分の限界が解らなかったのです、幸いにして、今、生きておりますが。
当たり前の事ですが、自分の経験値に合致する楽しみ方を心掛ける事でしょうか。
人間は自然に対して謙虚の向き合う。これに尽きると思います。今回亡く成られた方にはご冥福をお祈り致します。

  

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