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からだコラム

[栄養で治す]治療の土台、チームで築く

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[栄養で治す]治療の土台チームで築く

 高知市にある病院の臨床栄養部長です。管理栄養士として「栄養で病気を治す」ことを目指し、各地で講演活動も行っています。栄養療法が普及し、管理栄養士の増員や地位向上にもつながればと思っています。

 自分の大きな転機は、1993年に米国の大学病院に留学したことです。

 当時の日本では、管理栄養士は 厨房ちゅうぼう で献立作成や調理などをするのが当然で、病棟で働くという発想はありませんでした。勤務していた病院の上司には「病棟で患者の食事への希望を聞いて、厨房内の業務を増やすようなことをするな」とよく叱責されました。

 理科教師の息子のせいか、幼い頃から好奇心旺盛でした。管理栄養士になっても変わらず、患者さんの体に挿入されている管や検査数値が気になり、上司の目を盗んで病棟で医師や看護師と話していました。

 そんなある日、米国留学帰りの脳外科医と親しくなり、現地の医療事情を教えてもらうようになりました。その中で、「管理栄養士としてもっと違った形で治療に貢献したい」と模索していた自分に、運命的な情報がもたらされました。

 米国には「栄養サポートチーム」というものがあり、栄養失調の患者さんに栄養で治療の土台をしっかりと作ってあげ、治療や回復を助け、結果として早期退院などで医療費の抑制にもなっているというのです。

 栄養を専門とする医師や看護師、薬剤師、そして管理栄養士でチームを編成し、様々な角度から専門家が栄養をサポートする、自分が夢に描いていた理想の医療がそこにありました。

 ぜひ学びたいと思い、国内の病院を調べてみましたが適当な施設がなく、渡米する決心をしました。(宮沢靖・近森病院臨床栄養部長、管理栄養士)

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