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イグ・ノーベル・ドクター新見正則の日常

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「健康維持のファインプレー」とは?

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 今日は野球のお話です。 4年後の東京オリンピックの期間中はプロ野球が中止になるという決定を、11日のプロ野球オーナー会議が下しました 。「オリンピックは嫌いでプロ野球だけが好き」という人もいるでしょうが、多くの人には賛同してもらえる判断だと思います。

 さて、野球の 醍醐味(だいごみ) のひとつはファインプレーですね。外野に抜けるかもしれないような痛烈なゴロに飛びついて捕って、素早く華麗に一塁に送球してアウト。ホームラン性の当たりを追って、そしてフェンス際で手を伸ばしながらジャンプして好捕。いろいろなファインプレーがありますね。テレビは、そんな場面だけを選んで放映することもあります。いわゆるファインプレー集で見ているだけでもワクワクしますね。

意外な選手が…目に見えないファインプレー

 ところが、どれもギリギリで捕るのがファインプレーでしょうから、打たれる前にあらかじめ守備位置を変えていれば、平凡な打球にもなります。この打者はこちら側によく打つとか、このカウントではこんなバッティングをするとか、次は味方の投手はあの変化球を投げるだろうから多くの打球はあっちに飛んでいくとか。つまり、あらかじめ予測しておいて、そして守備位置を移動すれば、どれも平凡な打球になることが多いということです。しかし、そんな守備をする人は、素人にはあまり評価されません。むしろ客観的に評価する (すべ) がありませんでした。

 最近はサッカーなどの中継でも時々取り入れられているように、試合中の選手の動き全てが記録でき、そして解析できるようになっています。野球の守備位置を含めた選手の移動も、実はすべて記録できます。大リーグなどではすでに稼働しています。そんなデータをみると、本当のファインプレーかどうかがわかりますね。地味な努力も実は評価可能ですね。

 また、野球場に実際に見に行くと、打者によって、そしてカウントによって守備位置を変える選手がいることがわかります。とくに外野手は、にわかプロ野球観戦ファンの僕でもわかりますよ。いろいろ守備位置を変える選手だなとか、ほとんど同じところを守るんだとか、他の外野手に言われて守備位置を変えているんだとかね。

 現役のプロ野球監督が書いた本を先日読んでいて、そんな守備位置をあらかじめ変えることで、目に見えないようなファインプレーを積み重ねた選手として挙げられていたのが、日本ハムファイターズなどで活躍した新庄剛志選手でした。チャラチャラした目立ちたがり屋のおもしろいプロ野球選手という印象を受けましたが、地味な努力も超一流だったのですね。

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知りたい!_20131107イグ・ノベーベル賞 新見正則さん(1)写真01

新見正則(にいみ まさのり)

 帝京大医学部准教授

 1959年、京都生まれ。85年、慶応義塾大医学部卒業。93年から英国オックスフォード大に留学し、98年から帝京大医学部外科。専門は血管外科、移植免疫学、東洋医学、スポーツ医学など幅広い。2013年9月に、マウスにオペラ「椿姫」を聴かせると移植した心臓が長持ちする研究でイグ・ノーベル賞受賞。主な著書に「死ぬならボケずにガンがいい」 (新潮社)、「患者必読 医者の僕がやっとわかったこと」 (朝日新聞出版社)、「誰でもぴんぴん生きられる―健康のカギを握る『レジリエンス』とは何か?」 (サンマーク出版)、「西洋医がすすめる漢方」 (新潮選書)など。トライアスロンに挑むスポーツマンでもある。

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