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宋美玄のママライフ実況中継

医療・健康・介護のコラム

会陰切開の記事に反響続々!

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 とうとう梅雨明けも近いのでしょうか。日本の1年で最も過酷と思える季節に入りますね。暑い日は乳児を連れて出かけたくないのでひきこもりそうです。娘の幼稚園はもう夏休みに入りました。夏休みらしく帰省や旅行などのイベントを企画しています。仕事がある日は息子と同じ保育園の一時預かりに行ってくれると助かるのですが、すごく嫌がります。夏休みは実家に預かってもらったり、インターナショナルスクールのサマースクールに入れたりしながらなんとかやりくりする予定です。

ビーチカフェで砂遊びをする娘です

ビーチカフェで砂遊びをする娘です

いまだに生き残る全例切開の施設

 先週は会陰切開について書きました( 会陰切開はデリカシーとは関係ありません )が、予想していたような反響をいただきました。

 「今時、全例に会陰切開をしている施設や医者はいるのでしょうか」と書いたところ、「そういう施設がある」「私は切られた」という声をたくさんいただきました。

 個人的な経験をお話しすると、私も第1子の時に会陰切開を受けています。 分娩ぶんべん の進行が非常に早かったためか胎児心拍がモニターで拾えなくなり、胎児が元気かどうか評価できなくなったため、早く外に出したほうがいいとの主治医の判断でした。助産師の誘導に従い、必死でいきんだせいか、切開部分の反対側も自然に裂けました。産後はどちら側も同じくらい痛かったです。

 前回の記事にも書きましたが、会陰がうまく伸びて、切開や裂傷なく生まれるかどうかは分娩のスムーズさが大いに関係するので、初産は不利ですし、高齢初産はさらに不利と言っていいでしょう。私の場合は分娩がスムーズすぎたために切開を受ける結果となりましたが、切開が必要な場合というのはそれなりに多いので、前回の記事を読んで、切られたことに必要以上に被害者意識のようなものは持たないでいただきたいなと思います。

 一方、事前の母親学級などで「全員切ります」と説明を受けたという方がいたり、医師・助産師から「全例切っている」という声を頂いたことはとても残念に思います。これだけ科学的根拠を確認しやすい時代に、そういった方針で出産を扱っているということは、出産を科学という視点でとらえていない(すべて経験則で行っているという産科医は年配のドクターを中心にまだいます)ということで、アメリカ産婦人科学会の勧告があると知っても方針を変えることはないんじゃないかなと思います。事前に選べるならばそういった施設でお産をしなくてすみますが、情報も不足しているでしょうし、選択肢がないことも多いと思います。

会陰が広がりやすくなる方法をご紹介

 よく会陰切開そのものを悪いものとし、切開する医師をまとめて糾弾するような論調のものを見かけますが、切開をしないですむように最大限努力し、必要な例に絞って行っている者としては脱力させられます。胎児心拍が下がることや、微弱陣痛でやっとの思いで頭が出てくることは、リスクの高い妊産婦が集まる周産期センターでなくてもしばしば遭遇することです。適切な会陰切開の施行と産婦の傷の最小化を実現したいなら、真面目にやっている産科医や必要な会陰切開までまとめて批判するのはこれを読んだあとはやめていただきたいと思います。

 これはエビデンス(科学的根拠)という形で証明されているものではありませんが、出産のメカニズムとして少しでも会陰が広がりやすくなる方法をご紹介します。分娩台では通常足をカエルのように開くと思いますが、その際に外側に開くのではなく「お姉さん座り」のように内側に回すようにすると座骨が開いて会陰が伸びやすくなります(文字だけでは分かりにくいかもしれませんが、体を使うとよく分かります)。

 また、尾骨の関節が動いて後ろに反りやすくしたほうが会陰は伸びやすいので、横向き寝や、斜め下向きに寝る腹側 臥位がい 、四つん這いなどの姿勢の方が尾骨が動きやすいです。これらについてはガスケアプローチの分娩体位の講習会でとても詳しく学べます。

 生理的なお産が広まり、少しでも会陰にダメージの少ないお産ができるようになるよう私も頑張ります。

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宋 美玄(そん・みひょん)

産婦人科医、医学博士。

1976年、神戸市生まれ。川崎医科大学講師、ロンドン大学病院留学を経て、2010年から国内で産婦人科医として勤務。主な著書に「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」(ブックマン社)など。詳しくはこちら

このブログが本になりました。「内診台から覗いた高齢出産の真実」(中央公論新社、税別740円)。

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4件 のコメント

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会陰切開からのクリステルでした

みうみう

第一子の時、破水から始まったお産で分娩時間は14時間とまあまあだったのですが、子宮の中がカラッカラになってしまい順調に痛みがあってもお産が進まず...

第一子の時、破水から始まったお産で分娩時間は14時間とまあまあだったのですが、子宮の中がカラッカラになってしまい順調に痛みがあってもお産が進まず、頭は見えてるけどこれではなかなか出てこないということで切開にいたり(しかも麻酔なし)、さらにクリステルをして出産に至りました。
クリステルされている時に、私自身(うー、このままクリステルでもうまくいかなかったら鉗子分娩か吸引分娩だよなぁ。それだけは避けたいよねえ)と心の中で思ったものです。
第二子の時も破水からお産が始まりましたが、経産婦ということもあり切開には至りませんでした。でも、裂けた痛みが相当酷かったのでこれじゃあ切って縫合してもらったほうがよかったよねえと思いました。

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切開の後々のセックスに影響は?

ブラックオリーブ

 23年前の出産時にいきみが足りずその時切開されました。お産より切って縫われる方がちくちく痛かったような記憶があります。  更年期に差し掛かり、...

 23年前の出産時にいきみが足りずその時切開されました。お産より切って縫われる方がちくちく痛かったような記憶があります。
 更年期に差し掛かり、膣の潤い感がなくなりモイスチャークリームやらジェルやら色々試すことになり、セックスが痛みを与えるものとなり始め非常に困っています。
 精神力で乗り越えてみたり、たまに全く痛みがないときもありますが、今は恐怖感が先だったりします。更年期に入るとこういう問題がよくあるというのはネットで調べてみて初めて分かったことですが、詳細や原因を色々考えるに、どうも切開された部分が(潤い感もなくなってきてるからだと思いますが)挿入時に特に痛くつらいというのが分かりました。夫にみてもらうと、そこだけ真っ赤になっているといっていました。
 拝読していて、ふとこれも切開されたことによる、後々に与える影響の一つなのだろうかと思ったりしたのですが。
 潤滑剤などをこまめに塗り込むなどすれば少しは改善されるのでしょうか。

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コウノドリ新シリーズ「会陰切開」編を

miyagikenjin

会陰切開については性教育を学校でうけた世代でも正直わからないと思う。ましてや受けていない世代はもっとわからないだろう。女と男では当然理解度も違う...

会陰切開については性教育を学校でうけた世代でも正直わからないと思う。ましてや受けていない世代はもっとわからないだろう。女と男では当然理解度も違う。(性の専門書でも自分で買わない限り)
92年が「性教育元年」とされ学校で性教育は始まったとされるが、小学4年が82年生れで小栗旬・倖田來未・深田恭子。小学5年だと綾野剛、小学6年だと星野源(野球でいえば松阪世代)。70年代生まれと80年代生まれと違いは明確だろうか?90年代、00年代も性教育に関する違いもあると思う。

漫画コウノドリで今回の宋医師の会陰切開をめぐる現状の実態を描いてほしい。
そして現状について様々な考えを持つ医師の意見を漫画で描き、多くの意見をまとめた上でサクラ先生と四宮先生が出産が近くなった妊婦について「この妊婦には切開しないと子供が危ない」「いや切らなくても子供に心配はない」と最善を尽くすために論ずる、といったストーリーを読んでみたいものだ。

漫画でその妊婦のモデルが宋医師ならもっと面白いが。(クワバタオハラなどママ芸能人でもいいが)

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