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健康経営の人

医療・健康・介護のコラム

ローソン 宮崎純・常務執行役員「ポンタと交換、ヘルスケアポイント制度も導入」

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 「マチの健康ステーション」をスローガンにしているローソンは2015年10月に社員の健康づくりに取り組む健康経営宣言をし、玉塚元一社長(当時)をCHO(最高健康責任者=Chief Health Office r)とする体制を整えた。CHO補佐を務める宮崎純・常務執行役員(人事副管掌・健康保険組合理事長)に同社の取り組みについて聞いた。

――社員の健康づくりに取り組み始めたきっかけは。
 「2011年に部長クラスの社員が相次いで2人倒れた。当時のトップが『社員の健康を損ねるような経営をするというのは変えなければならない』と、翌年から健康診断を全員に受診させることを目標に掲げた。受診しなかった本人の賞与を15%、その上司は10%カットした。これが契機となって、今では社員の健診受診率100%を達成している」

――健診受診後の対応は。
 「医療機関受診勧奨領域だった470人のうち希望者270人に健康アプリを配信し、食事、歩数、体重などの記録をとって生活習慣改善の指導をした。この取り組みでハイリスクを抱える社員の数値改善という結果につながった」

――経過観察などの予備軍に対しては。
 「健保組合員の平均データは依然、あまりよくない。ローソンの社員は、店舗巡回員などの営業職が4割。数店舗を巡回するので車を使用している。コンビニは食を扱うので、毎週発売される自社の新製品だけでなく、ライバル社の製品も食べる。不規則に食べるのに、車に乗るため体を動かすことが少ないので、運動不足になってしまう。この対策として、15年から、日常的な生活習慣改善にポイントを付与するヘルスケアポイント制度を始めた」

――どのような制度なのか。
 「専用サイトで健診の結果を登録後、自ら健康宣言をしてもらい、さらに健康についてのeラーニングを受講したりすると、ポイントがたまる。たまったポイントは、1万ポイントを上限に、ローソンなどで使えるポンタポイントに交換できる。原資は会社と健保で折半している」

――健保財政の状況は。
 「3年前から赤字が続き、剰余金を切り崩しており、今年、保険料算定の基準となる保険料率を2%引き上げた。10月からは、短時間労働者への社会保険適用が拡大され、対象はこれまでの週30時間以上から、週20時間以上になる。当社の場合、直営店のアルバイト約2000人が対象になり、現在約7000人強の組合員がさらに増える。健保の支出はふくらむ一方だ。今は自社で健保を運営しているが、いずれは協会けんぽに加入するかどうかの選択を迫られる場面も出てくると思う」

――社員の健康づくりが経営にもたらすメリットは。
 「健康経営をしているからといっても、直ちに株価に反映されたり、業績が向上したりするわけではない。ローソンの場合、売り上げ約2兆円のうち1兆2000億円が食品。『食を通じてお客様に健康になってほしい』との思いで事業を展開している。そのためには、働いている私たち自身が健康でないと始まらない」

――今後の展望は。
 「社会の高齢化(と人口減少)が進むと、労働力の減少が問題となってくる。例えば、ローソンには、農業生産法人である『ローソンファーム』が全国23か所にある。社員が退職、あるいは再雇用後、農業に携わるという働き方も提案できる。今までと同じ仕事もいいが、シニアになってからでもイキイキと働ける場を提供できたらいいと思う。そのためにも未病対策が必要で、将来、病気にならずに元気でいられるように、社員には若いうちから健康に関心を持ってほしい」

(聞き手 鷲見一郎)

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 社員の健康を経営の重要課題に位置づける「健康経営」に取り組む企業が増えています。業務の効率化だけでなく企業イメージの向上などに効果があるとされ、国も後押ししています。健康経営を推進する企業のトップへのインタビューを随時掲載します。

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