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魚による「ヒスタミン中毒」、4つの予防策

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じんましんなどアレルギーに似た食中毒

魚による「ヒスタミン中毒」、4つの予防策

 魚を食べて肌に赤みやじんましんが出たことはないだろうか。その魚そのものに対する食物アレルギーも考えられるが、魚の身に含まれている「ヒスタミン」という物質が引き起こした食中毒の可能性もある。食物アレルギーに似た症状が出ることから、「アレルギー様食中毒」とも呼ばれる「ヒスタミン中毒」は、気温の上昇とともに起こりやすくなる。夏を目前に控えた今、特に気を付けたいヒスタミン中毒について、東京家政大学大学院(東京都)の藤井建夫客員教授(農学博士)に聞いた。4つの予防策も紹介する。

マグロやカツオなどの赤身魚に発生しやすい

 ヒスタミン中毒の主な症状として、食後30分~1時間程度で顔、特に口の周りや耳たぶが紅潮し、頭痛、じんましん、発熱などが起こる。治療しなくてもたいていの場合、6~10時間程度で症状は治まり、重症化することは少ない。

 藤井客員教授によると、原因物質のヒスタミンは、食品のタンパク質にもともと含まれるアミノ酸の一種ヒスチジンから、細菌の働きによって作られる。ヒスタミン中毒は、マグロ、カツオ、カジキ、サバ、イワシ、アジなど赤身魚を食べた後に起こることが多いという。

 その原因について、同客員教授は「ヒスチジンが含まれる量が、白身魚が100グラム当たり数ミリグラムであるのに対し、赤身魚では700~1,800ミリグラムと非常に高くなっています。そのため、ヒスタミン中毒も発生しやすくなります」と説明する。

加熱してもヒスタミンは破壊できず

 ヒスチジンからヒスタミンをつくる細菌の多くは、摂氏30~37度程度の環境を好む性質があり、夏の暑い時期に赤身魚などの食材を室温で長時間放置すると、急激に増殖して、ヒスタミンを大量に生み出してしまう。

 藤井客員教授は「加熱すれば食中毒は起こらないと考えがちですがそうではありません。細菌は死滅しますが、ヒスタミンは熱で破壊できません。実際に報告されているヒスタミン中毒は、生魚以外に、照り焼きや揚げ物など、加熱済みの献立でも多く起きています。2015年7月に、東京都東久留米市の保育園で発生したヒスタミンによる集団食中毒も、焼いたイワシが原因」と指摘。食中毒に対する知識不足が、ヒスタミン中毒を招いていると注意を促す。

 ヒスタミン中毒を防止するためには、通常の食中毒への対策と同様に「とにかく、食材を温かい場所にさらす時間をなるべく短くすることです」と藤井客員教授。「魚を購入した帰り道はなるべく寄り道をせず、帰宅したら直ちに冷蔵庫に保管するようにしてください。ただし、低温を好むヒスタミン生成菌もいるので冷蔵庫の過信は禁物」と話す。

 ヒスタミン中毒を予防するための方法として、東京都福祉保険局では次の4つの予防策を挙げている。

  • 1.生の赤身魚は常温で放置してはいけません。冷蔵でも、長期間の保存でヒスタミンの量が増えることがあります。冷蔵の場合でも、できるだけ早く食べてください。
  • 2.赤身魚の干物など加工品も、低温保存してください。
  • 3.冷凍した赤身魚を解凍する時は、冷蔵庫で解凍するなど、可能な限り低温で短時間のうちに解凍してください。冷凍と解凍の繰り返しは避けてください。
  • 4.食品中にヒスタミンができていても、外見の変化や腐敗臭はほとんどありません。しかし、ヒスタミンが大量にできていると、食べたときに舌がぴりぴりすることがあります。香辛料によるものでなければ、食べるのをやめてください。
  • (東京都「 食品衛生の窓 」より)
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