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川遊び、必ずライフジャケット…天候急変にも要注意

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 川遊びが楽しい季節がやってきた。豊かな自然体験ができる一方で、子どもが犠牲になる事故は後を絶たない。川で遊ぶ際の注意点や、おぼれた時の対処法を知っておきたい。

 魚や水生昆虫、川辺の植物を観察したり、水の流れを感じながら泳いだり。NPO法人「川に学ぶ体験活動協議会」(東京)の事務局長、斉藤隆さんは「子どもにとって、川は自然を学び、生きる力を育むことのできる最適の場所」という。

 一方で、川には危険も潜む。警察庁によると、2015年に水難事故で死亡もしくは行方不明になった中学生以下の子どもは53人。発生場所では海が15人、湖沼池が10人に対し、河川は23人と4割強を占めた。

 同NPO法人が集めた「ひやりはっと事例」でも、「川底の藻で滑った」「ダム放流のサイレンが鳴ったのに遊び続け、流されそうになった」などの体験が寄せられた。

 もしもに備え着用したいのがライフジャケットだ。同NPO法人によると、過去10年間の川での水難事故のうち、ライフジャケットを着用中に死亡したケースは0・65%。「命を守れる確率が格段に高くなる。ライフジャケットは体に合うサイズを選びましょう。胴のベルトや股下ベルトなどがあり脱げにくい物がいいでしょう」と斉藤さん。

 ライフジャケットは、スポーツ用品店、ネット通販などで購入できる。

 靴も、サンダルではなく、爪先やかかとが覆われた脱げにくいタイプがいい。脱げた靴を追いかけ、おぼれたケースもあるからだ。

 流れが複雑になる川の合流地点や 堰堤えんてい の下流、流れが速い場所などは水難事故が起きやすい。日本赤十字社大阪府支部で水上安全法の講師をする新谷隆博さんは「現場で危険な場所を具体的に教えて、近づかないように言ってほしい」と話す。

 天候の変化に注意することも大切だ。局地豪雨があれば水位は一気に上昇する。今いる場所が晴れていても、上流で大雨が降れば同様に危険だ。過去の水害ではわずか10分間で水位が1メートル以上も上がった事例がある。スマートフォンの天気アプリなどを利用し、雨雲の位置を確認しておきたい。

 万が一おぼれた場合はどうするか。「たとえ体重10キロの子どもでも、抱えて泳ぐのは難しい。救助は水に入らず、陸上で行うことが原則」と新谷さん。

 周囲の大人は、119番通報したうえ、「もうすぐ助けがくる」など落ち着かせるために声をかけ、ロープや棒があれば差し伸べる。浮き具になるペットボトル、クーラーボックスを投げるのもいい。

 あらかじめ、子どもには、おぼれた時はすぐにあおむけになって、体の力を抜く「浮き身」の体勢をとり、下流に足を向けるように教えておく。このためにも、浮力のあるライフジャケットを身につけておくことは重要だ。

■川遊びの際の注意点

ライフジャケットを必ず着用する。体重の10%の浮力を持つ物が適当。ただし幼児は体重が軽くても3~4キロ程度の浮力がある方がいい。

天気の変化などで急に増水しないか、天気予報やダムの放流サイレンなどに注意する。

流れが複雑だったり、速かったりする場所には近づかない。川辺で草が生い茂っている所も誤って川に落ちやすい。

川の流れは体温を奪いやすい。唇が青い、体が震えるなどの兆候があれば、すぐに休憩をとる。

おぼれた時は、周囲の人間は119番通報し、浮き具になるペットボトルなどがあれば投げる。

 (斉藤さん、新谷さんへの取材をもとに作成)

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