宋美玄のママライフ実況中継
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会陰切開はデリカシーとは関係ありません
息子が生後7か月にしてずりばいをはじめました。目的に向かって頑張って進もうとする姿、うまく進めずに泣く姿、どちらもとても
「会陰切開は限られた状況で」…当然の推奨です
アメリカ産婦人科学会が「会陰切開はお決まりの作業として行わずに限られた状況で実施すべき」と推奨したことが私の周りで話題になりました。初産婦であろうと、会陰切開をお決まりで行うような施設ではこの10年働いたことがないので、当然の推奨だと思います。アメリカでもお決まりで会陰切開を行っているのは1割程度とのことです(もしも日本でまだお決まりで行っているという施設をご存じの方がいたら教えてください)。会陰切開は、肛門や直腸に至る重度の会陰裂傷や骨盤底筋の損傷(による
無傷で出産できればそれが一番素晴らしいことです。一部では「医者はすぐに切りたがる」というような声も聞きますが、日本では切開するのも、切開や自然に出来た傷を縫うのも医師の仕事ですから、切らないに越したことはないというのが大半の産婦人科医の意見ではないでしょうか。
実際にある程度の数の分娩を見た人でないとピンとこないかも知れませんが、お産が長引いた結果、外陰部がむくんで伸びにくかったり、弱めの陣痛でやっと赤ちゃんの頭が下がってきたものの、母子ともに疲弊してしまって限界に近いという場合や、胎児の状態が悪いと予想されて少しでも早く出してあげたいという場合など、切開した方がいいと判断されるケースはあります。
また、頭が出かかった状態で会陰が伸びるのをゆっくり待って切開せずに分娩したものの、
自分で選べるものではありません
スムーズにお産が進めば会陰切開を必要とするケースは少なく、必要としたり必要かどうか悩ましかったりという時点で、結局切開を実施するかどうかにかかわらずリスクを持っていると思います。妊婦さんの中には「切開を受けるかどうかは自分で選びたい」と考える方もいらっしゃると思いますが、それは「なるべく帝王切開はしたくない」というのと同じで、実際にトライしてみないと希望の通りになるかどうかは分かりません。
会陰の傷に関しては、赤ちゃんが出る瞬間の助産技術によるところが大きいと言われていますが、それだけではないと思います。そもそも陣痛が来た時からなるべくスムーズにお産が進むように、陣痛が弱ければ陣痛促進剤を適切に使って強めたり、赤ちゃんが下がってきやすい姿勢や呼吸法を実践したりするなど、それまでの分娩の管理も大きく影響すると思います。
身体的な観点からの議論を
会陰切開がお決まり作業として行われていた時代の反発からか、会陰切開をする医師を女性の敵ととらえた議論をよく目にします。確かに女性の心や体に対してデリカシーの欠けた医療従事者がいるのは事実ですし、腹立たしいと思います。しかし、すでにお決まりで会陰切開はすべきでないという認識は産婦人科医の間にそれなりに広まっていると思うので、会陰切開をデリカシーや尊厳の
なるべく会陰のダメージが少なくなるためには、生理的に赤ちゃんがおりてきやすい呼吸法と姿勢が大切だと思います。出産に関することがまずは価値観論争を脱し、母子の身体の観点で議論されるようになってほしいです。
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初産切らなかった
ももたくん
5時間ほどで産まれました。 分娩台に3時間いきみ、切らずに産まれました。 ゆっくり出てきてくれたおかげと助産師さんが上手だから切らずに済んだんだ...
5時間ほどで産まれました。
分娩台に3時間いきみ、切らずに産まれました。
ゆっくり出てきてくれたおかげと助産師さんが上手だから切らずに済んだんだよ。とお医者さんに言われました。
帰ってから家事をしたのが悪かったのかしばらく尿漏れと悪露が続きました。
産後は家事なんてしないで休んでください。
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2回とも切らず
toumo
一人目は切らなかったけど、少し裂けて縫いました。 二人目はかなりの安産で病院に着いてから一時間もかからず産まれ、会陰は無傷でした。 ただ、骨盤底...
一人目は切らなかったけど、少し裂けて縫いました。
二人目はかなりの安産で病院に着いてから一時間もかからず産まれ、会陰は無傷でした。
ただ、骨盤底筋が緩んでしまったように思います。
二人目は高齢出産だし、二人産んだからこんなものかと思っていますが…。
骨盤底筋が緩んでしまうお産とはどんなお産なのか、自分が当てはまるのか…
よく分からないので知りたいです。
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初産で切られました
3児の母
私は3回とも病院を変えて出産したのですが、 初産の総合病院では、何の説明も無しに切られ、 バチ、という音に衝撃を受け、何が起こったのか分からず ...
私は3回とも病院を変えて出産したのですが、
初産の総合病院では、何の説明も無しに切られ、
バチ、という音に衝撃を受け、何が起こったのか分からず
恥ずかしながら予備知識も無かったのと、出産そのものが
パニック状態だったので、産後数日経って事の次第に気付きました。
2人目はおしゃれな個人産科医の病院でしたが、
先生がかなり適当な方で
性別チェックNG!と言い続け、カルテの表紙にもデカデカ書いてあるのに
超音波検査の時に「付いてますねー」と言っちゃった
もたもたしてるうちに、ビリビリ!と裂けました
あの感覚は忘れられません。。。
当然、産後の治りも悪く、そのせいか分かりませんが
尿漏れもしばらく続きました。
3人目は呼吸法を第一にしている病院で、
旦那は宗教ぽい!と批判的でしたが、一番落ちいて出産に向かうことが出来、
陣痛こそ長かったですが、本当にするっと出てきました。
産後陣痛の後は、もうスッキリで。
宋先生のお話にもあるように、出産には個人差もあり
その時々で最善の対応ってあるとは思いますが
病院、医者は最低限、母親学級等でリスクや方針は説明し、
安心して出産に臨めるようにして欲しいです。
その上で、自分の思うところと違う場合、転院も簡単に出来るようにして欲しい。
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