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待機児童の問題
保育所の空き待ち2万人
待機児童って
どういう子供?
認可保育所って聞いたことがあるかな。0歳から小学校入学までの子どもを預かる施設のことだよ。市役所などで申し込んで利用するんだけど、定員オーバーで入れないケースも多いんだ。待機児童は、保育所の空き待ちをしている子のことをいうんだ。昨年4月時点で全国約2万3000人。5年ぶりに増えたんだよ。
認可保育所は、施設の広さや世話をする保育士の人数など、国が定めた基準を満たしている。運営にかかる費用などには税金の補助も入る。だから、安心して子どもを預けられる場所と考える保護者が多い。
利用を申し込む保護者は、夫婦とも働いていたり家でおじいさんやおばあさんの世話をしていたりして、自分たちの子どもを預ける場所を必要としている。保育所に入れないと、会社の育児休業を延長したり、仕事を続けられなくなったりして、たちまち困ってしまう。
ベビーシッターなど、認可を受けていないほかのサービスを利用する手もあるけど、料金の負担が重くなる場合もある。保育所が順番待ちであふれる状態が続けば、安心して子どもを産み育てられず、将来の日本で活躍する子どもたちの数が減ってしまう。
国は2017年度末に待機児童をゼロにしようとしている。0~2歳児対象の小さな保育所の新設などを急いでいて、15年には定員を2年前より20万人以上も増やしたんだ。
でもね。共働き家庭が増えて、保育所を利用したいと考える人が多くなっていることもあって、待機児童の数はなかなか減らない。保育所を増やして、定員に余裕がある自治体には、引っ越す人が増えて、結局、待機児童が何人も生じてしまう事態も起きている。
保育所をどんどん増やせばいいと思うかもしれないけれど、人口が多い都市部などでは、保育所を建てられる土地をみつけるのは簡単なことじゃない。賃金が低いため、保育士の確保が難しいという事情もある。みんなで知恵を絞って、早く、全国で待機児童がゼロになればいいね。(滝沢康弘)
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