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知って安心!今村先生の感染症塾

医療・健康・介護のコラム

ヒラメ、サンマ、サケ…身近な魚と寄生虫

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サンマと寄生虫

 このクドアよりも、さらに有名な寄生虫が「アニサキス(読みやすい!)」です。魚は必ずしも「新鮮=安全」とは限りません。昔は生食しなかった魚を、「新鮮」だからと生で食べる人も増えています。たとえばサンマといえば、かつては焼き魚の代名詞のような存在でした。しかし最近は、都会のお店でもサンマを刺し身で食べる機会が増えています。そして、このサンマの刺し身による「アニサキス症」も多くみられるようになってきているのです。

痛いアニサキス

 アニサキスの幼虫をもった魚を食べたとしても、人の体内では成虫にならずに排泄されてしまうのがふつうです。しかし、まれに胃の壁に入ることで、強い腹痛を起こすことがあり、これがけっこうやっかいもの。あまりにも痛むので、救急外来で胃潰瘍、胆石症、虫垂炎などと間違えられることもあるほどなのです。

アニサキスって、どんなヤツ?

 「アニサキス」は、長さ2~3cmの白い幼虫として、サバ、サケ、サンマ、ホッケ、タラ、ニシン、イカ、イワシなど、いろいろな種類の魚に寄生しています。まずは、どんな魚にアニサキスが住んでいるのかを確認してみましょう。

 『魚種別アニサキス寄生状況について(平成24年4月から平成26年3月まで)』

  http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/anzen_info/anisakis/tyousa2.html

 よ~くみると、内臓の表面か筋肉に、小さく「とぐろ」を巻いて住んでいるのがみつかります。けっこう一般的にみられるので、よく探せばみなさんでも発見できるかもしれません。アニサキスについての詳細はこちらをごらんください(アニサキスの写真もあります)。

 『アニサキス』東京都福祉保健局

  http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/musi/01.html

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今村顕史(いまむら・あきふみ)

がん・感染症センター都立駒込病院感染症科部長

石川県出身。1992年、浜松医大卒。駒込病院で日々診療を続けながら、病院内だけでなく、東京都や国の感染症対策などにも従事している。日本エイズ学会理事などの様々な要職を務め、感染症に関する社会的な啓発活動も積極的に行っている。著書に『図解 知っておくべき感染症33』(東西社)、『知りたいことがここにある HIV感染症診療マネジメント』(医薬ジャーナル社)などがある。また、いろいろな流行感染症などの情報を公開している自身のFacebookページ「あれどこ感染症」も人気。

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