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知って安心!今村先生の感染症塾

医療・健康・介護のコラム

寄生虫やウイルスが……ジビエ料理にご用心!

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E型肝炎について

 E型肝炎は、感染してから発症するまでの期間(潜伏期間)が平均6週間と長いことが特徴です。したがって、肝炎を発症した時には、1か月以上前に「ジビエ」などを食べていないかを確認することが必要となります。 倦怠けんたい 感、発熱、吐き気、腹痛などの症状とともに、肝臓の機能が急速に悪化して、眼や皮膚が黄色くなる「 黄疸おうだん 」が出現したりします。ウイルスに対する直接の治療はありませんが、多くは自然軽快します。しかし、 まれ に劇症化して死亡することもあり、妊婦や高齢者が重症化しやすいともいわれています。

 ジビエとE型肝炎については、厚労省からも注意喚起が出されています。

 『ジビエ(野生鳥獣の肉)はよく加熱して食べましょう』

 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000032628.html

 『E型肝炎ウイルスの感染事例・E型肝炎Q&A』

 http://www.mhlw.go.jp/houdou/2003/08/h0819-2a.html

妊婦とトキソプラズマ

 妊娠している女性では、生肉や加熱不良の肉を介して感染するトキソプラズマという病原体にも注意が必要です。トキソプラズマ感染は、生まれてくる赤ちゃんに影響を与える可能性があるからです。妊婦の感染についての情報は、こちらのページも参考にしてください。

 『「トーチの会」:トキソプラズマ』

 http://toxo-cmv.org/toxo.html

「新鮮=安全」とは限りません

 美食ブームの中で、近年は首都圏でもE型肝炎の報告が増えているということを知っておきましょう。「捕ったばかりで新鮮だから、生でも大丈夫です」。・・・こんな言葉には注意してください。寄生虫も、E型肝炎ウイルスも、そしてトキソプラズマも、十分に加熱すれば死滅してしまいます。生レバーは完全にアウトです。不十分な加熱の内臓も要注意。通常の肉でも、表面だけの加熱ではリスクが残るということも承知しておく必要があります。

 食ブームを楽しむことは良いことです。

 しかし、「新鮮=安全」とは限りません。

 ジビエ料理も、ぜひ「火を通して」楽しんでください。

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今村顕史(いまむら・あきふみ)

がん・感染症センター都立駒込病院感染症科部長

石川県出身。1992年、浜松医大卒。駒込病院で日々診療を続けながら、病院内だけでなく、東京都や国の感染症対策などにも従事している。日本エイズ学会理事などの様々な要職を務め、感染症に関する社会的な啓発活動も積極的に行っている。著書に『図解 知っておくべき感染症33』(東西社)、『知りたいことがここにある HIV感染症診療マネジメント』(医薬ジャーナル社)などがある。また、いろいろな流行感染症などの情報を公開している自身のFacebookページ「あれどこ感染症」も人気。

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