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健康トレンド

介護・シニア

コグニサイズ(下)みんなで楽しく根気よく

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 〽あんたがたどこさ 肥後さ 肥後どこさ――

 6月上旬、大阪市住吉区の介護事業所「ツクイ大阪南万領」で、明るい歌声が響いた。同事業所は2年ほど前から、デイサービスを利用する約90人の高齢者らを対象に、脳と体を同時に鍛える認知症予防運動の「コグニサイズ」を取り入れている。

コグニサイズ(下)みんなで楽しく根気よく

「じゃんけんで、負けてみてください」。職員の声を合図に、手をあげる高齢者(大阪市住吉区のツクイ南大阪万領で)

 この日行われたのは、童謡を歌って歌詞に「さ」の文字が出たら拍手したり、足踏みをしながら機能訓練指導員とじゃんけんをしてわざと負けたりするコグニサイズ=写真=。失敗して「しまった」と顔をしかめる人もいたが、機能訓練指導員は「僕たちも間違えます。ゆっくりやりましょう」と全員に声をかけていた。

 管理者の島田麻衣子さん(40)は「ミスしたことを恥ずかしいと思う人もいる。特定の誰かではなく、みんなに声をかけるようにして、意欲を損なわないよう工夫しています」と明かす。

 昨秋にはバイク型の器具で足を動かしながら、タッチパネル式の画面で、数字や言葉の問題を解く「コグニバイク」も導入し、利用者に好評だ。

 同事業所を週3回利用する男性(93)は、コグニサイズを始めて、もの忘れの進行が止まったと感じている。「うまくいかない時はイライラすることもあるが、職員さんは根気よく教えてくれるし、何より、みんなで和気あいあいと楽しめるのがいい」とほほ笑んだ。

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