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性とパートナーシップ

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結婚、恋愛、セックスの相手を分ける女性(中)子育てと仕事に奮闘…非協力な夫以外の男性に惹かれる

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 2~3杯飲んでほろ酔い機嫌となり、以前のような親しみが戻ってきた頃でした。カウンターの下で、彼が急に女性の手を握ってきました。

 (え? どうして?)

 胸のドキドキは最高潮に高まり、女性も彼の手をそっと握り返しました。そのまましばらく手を握り合い、食事を終えると、駅まで送ってもらい、別れました。

 電車に乗った後、携帯電話に彼からメールが入りました。

 「本当は抱きしめてキスしたかったけれど、人の目もあるからできなかった」

 それを見た女性は、少し冷静に戻りました。

 (そんな状況になったって、絶対に実行しないでしょ?)

 「嬉しい反面、前に会った時のがっかりした記憶もあるので、この人の言葉をすべて真に受けてはいけないと自制していました」

 「今度は彼の方が前のめりになっていて、嬉しい反面、私はちょっと複雑な思いも感じていました。互いに好意はあるけれども、男女の関係にはならないという暗黙の了解があるわけです。彼のことは好きだし、会えばドキドキしてすてきだなと思いますが、遠くに住んでいてしょっちゅうは会えないし、私も家庭を壊すつもりはありません。あまり気持ちが入り込まないよう、自分をコントロールしながら時々メールでやり取りをして、ふわふわとした感情を持てるくらいの関係がちょうどいいのだと思うようになりました」

 恋愛感情を持つ相手とは、プラトニックな関係を保つ。そう決めながらも、女性は「女として見られる。触れられる」という欲望が満たされない寂しさを感じていました。仕事は順調だし、母親という役割も充実している。だけど、夫とも会話もほとんどなく、女としての承認欲求が満たされない――。

 そんなある日、独身時代に度々行っていたダーツバーに、女友達と久しぶりに行こうという話になりました。近くに住む母親に子どもを預けて、思い切りおしゃれをして出かけました。

 独身時代に慣れ親しんだ、自由な空気。お酒を飲んだり、ダーツをしたりしながら、女性は自分の着飾った姿に男性たちの視線が集まるのを感じました。昔の顔見知りと会話を交わしながらゲームを楽しんでいる時、VIPルームに座っていた男性グループから声をかけられました。

 「一緒にシャンパンを飲みませんか?」

 誘いの声をかけてきた若い男性は、背がすらりと高く、おしゃれなスーツをさらりと着こなした好みのタイプでした。

 「いいですよ」

 女友達とVIPルームに入り、刺激的な一夜が始まりました。

 (続く)

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岩永直子(いわなが・なおこ)

1973年、山口県生まれ。1998年読売新聞入社。社会部、医療部を経て、2015年5月からヨミドクター担当(医療部兼務)。同年6月から2017年3月まで編集長。

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