大豆の力
元気なう
[大豆の力](3)豆類毎日100グラムが目標
「外国では、大豆を食用油や家畜のエサにしている。しかし、欧米では世界屈指の長寿国日本の和食を研究し、大豆をもっと食べようとしています」。世界の長寿、短命地域を現地調査した武庫川女子大学国際健康開発研究所長の 家森 幸男さんはこう話す。
米国立がん研究所はがん予防の可能性のある食品の中で、大豆をキャベツ、ニンジン、ニンニクなどと並び、最重要度にランクした。米食品医薬品局は1日25グラムの大豆たんぱく質(乾燥大豆にして約75グラム)が有効としている。
厚生労働省の国民健康づくり運動「健康日本21」では、毎日100グラムの豆類摂取が目標だ。豆類の80%が大豆なので、米国とほぼ同じ大豆摂取量になる。しかし、実際の摂取は平均59グラム。7~29歳は40グラム台と、目標の半分以下で、日本では若者を中心に“大豆離れ”がみられる。
家森さんが行った兵庫県の女子大生調査では、大豆食品を週に1~2回も食べていなかった。「日本女性の長寿世界一が長続きするとは思えない」と家森さん。同研究所では「もっと大豆、魚を“適塩”で」という生涯食育を進めている。
大豆に含まれるレシチンや葉酸に、認知症予防の効果も期待される。葉酸は枝豆にも含まれる。大豆が成熟する前に収穫した枝豆は、ビタミンCなども多い。
大豆は長時間水煮すると、イソフラボンなど水溶性の栄養素の一部が溶け出てしまう。蒸すと、栄養素をほとんど保てるので、塩なしでも栗やサツマイモのようなホクホクした味が楽しめる。(斉藤勝久)
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