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「赤ちゃん型ロボット」で認知症の高齢者が穏やかに

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「赤ちゃん型ロボット」で認知症の高齢者が穏やかに

 認知症患者のさまざまな症状を軽減したり、介護者の負担を軽くしたりするのに、ロボットが役に立つのではないかと注目されている。そんな中、赤ちゃん型ロボット「スマイビ」(写真)を介護施設やグループホームに入居する認知症の高齢者に提供したところ、一部の高齢者でロボットを抱くことによって穏やかに過ごす時間が増えたとの調査結果が明らかになった。この結果は国立長寿医療研究センター神経内科の山岡朗子氏が5月18~21日に開かれた日本神経学会の会合で報告している。

喃語で反応、抱っこするとご機嫌に

 今回、山岡氏らが調査のために使った赤ちゃん型ロボット「スマイビ」は、東郷製作所が開発、販売する癒しロボット。音や動きに反応するセンサーを搭載しており、話しかけると赤ちゃんのような喃語で答えてくれるだけでなく、抱っこすると機嫌が良くなったり、放っておくと機嫌が悪くなったり、寝てしまったりする。スマイビ自身が行動を起こすことはないが、抱っこするなど「お世話」が必要なことから、ロボットに関心を持ち働きかけることで、高齢者が生きがいを感じられるようになるという効果が期待されているという。

 同氏らが実施した調査の対象は、中等度~重度の認知症がある65歳以上の高齢者12人(男性2人、女性10人)。平均年齢は86.7歳で、12人中8人がアルツハイマー型認知症だった。「スマイビ」を提供してから2カ月後、4カ月後に食事や歩行、入浴、着替えなどの日常生活における自立度や、認知機能などの検査をしたところ、ロボットに興味を示した3人の高齢者では、興奮状態や夜間の行動などが改善するなど、一定の効果が示されたという。

 ただ、残る9人はロボットに興味を示したとしても短時間で、全く興味を示さなかった高齢者もいた。また、ロボットが何であるか理解できない高齢者もいたという。今回の調査を振り返り、同氏は「重度の認知症の高齢者が対象だったため、感情を言葉で表現したり、検査のための質問を正しく理解して回答することが難しかった可能性もある」と説明した。

 さらに同氏は「(認知症に伴う)行動面での症状やコミュニケーション能力の改善を期待していたが、実際にはロボットの活用が難しい高齢者もおり、また効果を検査で確かめることも困難だった」と説明。その上で、「一部の高齢者ではロボットを抱くことで穏やかに時間を過ごす様子が観察され、検査でも興奮状態などが改善することが分かった」として、今後、軽度の認知症患者を対象とした調査も行いたいとの意欲を示した。

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kenkohyakka

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