宋美玄のママライフ実況中継
医療・健康・介護のコラム
学習指導要領にもの申す 妊娠した高校生は「いなかったこと」ですか?
雨が続き、晴れた日は猛暑という 辛 い季節ですね。息子は生後7か月になり、離乳食をぼちぼち食べています。新生児以来、便秘気味で心配したこともあったのですが、離乳食が始まってからというもの、軟便が1日に何回も出るようになってお尻の肌が荒れてしまいました。こまめにケアをしていますが、娘の時に比べると男の子は楽だなあと思います。
「高校生はセックスをしないもの」として学校は運営
京都の高校で、妊娠中の女子生徒が「卒業するには体育の実技が必要」と学校側に言われたというニュースが話題になりました。妊娠したからといって全く運動していけないわけではないので、可能な範囲で体を動かせば良かったのではないかなというのが感想ですが、学校側と生徒の間でいろいろと行き違いもあったようです。
そもそも、「全日制の学校は妊娠を想定していないので、妊娠を特別な事情とは考えていない」ということが前提にあったようですね。確かに、文部科学省の制定した学習指導要領は、高校生はセックスすべきではないという考えのもとにできています。そのため、セックスという行為については直接教えず、「性的接触」などとぼかしています。
また、性感染症については教えるため、その予防としてコンドームは出てきますが、セックスで妊娠することやバースコントロールについては教えません。そこへきて、生徒が実際に妊娠したとしても「想定していない」として特別に配慮することはないわけですから、ある意味一貫していると言えます。
想定外の「セックス、妊娠する高校生」は切り捨てか?
しかし、誰もが知っているように、高校を卒業するまでにセックスをする男女、妊娠する女子生徒は実際にいます。そのほとんどは高校を卒業するには至りませんし、その先の高等教育や専門技能の習得にも至りません。赤ちゃんの父親が逃げたり、女性は16歳未満、男性は18歳未満の場合は法律上結婚できなかったりするために未婚で産むケースも少なくありませんし、結婚した場合でも、10代の結婚は離婚率が高いため、最終的にシングルマザーになるケースが多いのは周知の通りです。
高校を卒業もせず、専門技能もないシングルマザーとその子どもは貧困に陥る率が高いのは想像に難くありません。このように、現在の学習指導要領と学校の姿勢は、「高校を卒業するまではセックスをすべきではないからセックスと妊娠については教えない。セックスをして女子生徒が妊娠をしたとしても学校教育から振り落とすだけ。その先は知らない」と実質上言っているようなものなのです。
社会は性的な情報であふれている
高校生以下の学生がセックスをする是非はさておき、学校教育の現場で「臭い物にふた」をしたところで生徒がセックスを含む性的なことを、そんなものがあるとは知らないまま、行為に至らないかというと当然そんなことはありません。コンビニに行けば「成人向け雑誌」が嫌でも目に入る場所においてありますし、インターネットにつながれば、質はさておき無制限に性的なサイトと接触できます。第二次性徴期に性ホルモンがたくさん分泌され、性的なものへの興味が湧き、性的衝動が起こることは、昨今さかんに啓発されている「生殖年齢には限界がある」というのと同じくらい生物学的に当たり前のことです。現代社会では10代が「学業に 邁進 する」時期だからと言って、いつまでもそれを無視していていいのかと大変疑問に思います。
必要な知識を与えるよう学習指導要領改訂を
家庭での教育には非常にムラがある分野ですので、学生が興味を持つ時期に必要な知識を学校教育の場で与えるよう学習指導要領を改訂していただきたい。その上で「行為の結果に対して責任が取れるようになってから」と伝えた方が臭い物にふたをするよりはマシだと思います。そして、妊娠に至り出産を選んだ生徒に対しては、産み育てることと学ぶことが両立できるよう、母子のために配慮していただきたいと思います。
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高校生の本務は、勉強でしょう!
セックスしようがしまいが、自己責任!
学校側に対策を求めるのは、理不尽!
学校側に性教育を求めるのは、変!
家庭教育でしょう!親の仕事でしょう!
体のこと、宗教観、精神論、金銭感覚、性教育、倫理、躾、道徳は、親が子に責任持って果たすべき行いです。
教育機関、教育者などに責任転嫁してはいけない。
自ら、働き、生活資金を稼ぐことができない者は、四の五の語る立場にないでしょう!
自己主張ばかりで、責任を果たせない者は、長者のいうことを聞き、自省すべし。
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難度を増す性教育現場への配慮も
LGBTも仲間にいれてください
ここのコラムにでてくる妊娠した女子生徒さんは去年8月に妊娠発覚してその年の11月に学校のほうからの配慮で休学をすすめられたのでは?今年1月から休...
ここのコラムにでてくる妊娠した女子生徒さんは去年8月に妊娠発覚してその年の11月に学校のほうからの配慮で休学をすすめられたのでは?今年1月から休学して、8月くらいには通信制への移行に努力していると記事で読みました。学校の配慮が休学というのは正解だなと読んでました。
記事の内容によって感想がちがうものですね。
性的接触に変更されたのは性感染症の感染の元になる行為に注目をして変更されたと聞いています。同性の性器同士の接触からオーラルセックス等も範疇にいれないといけない時代到来なんでしょうね。いつまでも性器の挿入や妊娠を主とした性教育ではね。
一部の泌尿器科の先生は性的接触という表現を認めつつ学校からの依頼で性教育の講演をしているそうです。
親からしたら文部科学省の配慮はありがたいです。
LGBTの人もちゃんと性教育に組み込まれるし、いいことではないでしょうか。
特にコンドームの知識はウイルスを通過させないコンドームを使うのが大事ですよね。今回のリオ五輪ではそのタイプのコンドームを配布しようという国もあります。ジカウイルス対策だそうです。
女性器に男性器を挿入することだけを問題視しても追いつかない性教育の世界なんでしょう。感染症怖いです、ジカウイルスは精液で発見されているし、感染すれば子への影響は思っていたより広範囲にでると最近は言われ始めてますから、蚊への対策も大事ですね。
虫よけ成分ディートの濃度をもう少し高くした製品の許可を厚生労働省に望みたいです。
先生から提案できないものでしょうか。期待しております。
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面倒臭いことしたくない、という学校現場
miyagikenjin
3年前の6月にも2週にわたり学校での性教育を訴えていました。 高校としては「卒業まではトラブルを起こしてくれるな」が本音。(中学でも卒業したら義...
3年前の6月にも2週にわたり学校での性教育を訴えていました。
高校としては「卒業まではトラブルを起こしてくれるな」が本音。(中学でも卒業したら義務教育修了、という考えもあるようだ)
高校卒業したら、余所で性行為解禁して構いません。妊娠しようが性感染症になろうが「自己責任」。
教師としては外部の医者が性教育を教えて生徒同士が恋愛・性行為・妊娠となれば保護者から大バッシングを受けるのは自分たち、という感覚です。性感染症のバッシング度合いは軽いのでコンドームは教える、のでしょう。
卵子も精子も老化するので妊娠には限界がある、という生物学的な事実を知ることができない。
学校の外なら成人雑誌や性的サイト、大型書店には青年雑誌やレディースコミック、SEX特集を組む女性誌や健康雑誌、医者やカウンセラーが書いたセックスハウツー本、性教育の専門書がありふれている。
教師も「性教育は専門書があるから家庭で。興味を持てば子供は自分から学ぶから」という方針は崩さないだろう。
何故なら東大合格者数ベスト10の男女別学中高一貫校では性教育は重視されることはない。それらの学校の売りは東大合格・医学部合格の生徒数だ。
性教育関係者が学校で必要な1年間の性教育時間を20時間として中1~高2まで×5で100時間。
その100時間を受験科目の英数国理社に充てるのが進学校だ。
受験に恋愛は無駄、の言葉は「受験に性教育は無駄」と置き換えられる。
アグネス・チャンが3人の息子をスタンフォード大学に合格させた本の中に興味深いことが。
思春期が近くなったら成長ホルモンの仕組みを理解させ、体は成長するという簡単な性教育を教える。
恋愛は大切な人生経験で健全な男女関係を作る基本になり、性の話をタブーにせず、適切な時期に恋愛や性について話をする。
北欧のように男女一緒の性教育は絶対必要だ。
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