性とパートナーシップ
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触れ合う喜びを取り戻したバツイチ女性(下)いつからでもやり直せる

セックスレスになってから10年以上たつと、夫はちょこちょこ浮気をしているようでしたが、女性は、気にもならなくなりました。夫とは息子の両親という役割さえ果たせればいいと、割り切った気持ちになっていました。しかし、静かな恨みが心の中に積み重なっていました。
夫との結婚生活ですっかり自信を失っていた女性は、そこで初めて、自立のための道を模索し始めました。周りの友達にも相談し、「一生続けていける仕事は何か」と考えて、行政書士の資格を取ることを決意しました。
これまでにないぐらいに必死に勉強しました。そして、見事、1度で合格しました。
「皮肉なことに、私は夫から努力することのすばらしさを学び、夫から離れて自立するために、初めて自分で努力したんです。ある意味、夫には感謝できますよね。後で夫が周囲の人に、『うちの奥さんすごいんだぞ』と自慢していたと聞いて、複雑な気分にもなりましたが……」
その後、離婚が成立しました。特に大きな感慨はなく、ようやくすっきりとしたという思いでした。
その後、しばらくたって、友達のパーティーである背の高い、堂々とした雰囲気の男性に出会いました。年下のキャリア官僚の男性でしたが、「東大法学部卒」という学歴が心に引っかかりました。
「夫は東大法学部に入れずにコンプレックスを抱いていました。その夫に対する
彼の方は、女性に積極的にアプローチしてきました。少し会話をするだけで、文学や文化のことなど次々に話題が広がり、話していて楽しい男性という第一印象でした。彼は別れ際、「映画に行きましょう」と熱心に誘ってきました。「映画ぐらいならいいか」と軽い気持ちで受け、次の休日、池袋に映画を見に行き、食事をして、家まで送ってきてもらいました。
彼は、「何もしないから」と自宅にあがろうと必死に説得してきました。最初は断っていた女性も、「40歳にもなる女が玄関先ですったもんだするのもみっともないか」とあきらめ、自宅にあげました。驚いたことに、彼は本当に無理やり性的な関係を迫ろうとはせず、ただ、抱きしめるだけでした。女性は頭の中で考えました。
(私も40代になって、この先いつまで男の人に夢中になってもらえるかわからない。これが最後のチャンスなのかもしれない)
女性は、男性の耳元で、「いいですよ」とささやきました。そして二人は結ばれました。
官僚の身分で忙しいはずの彼は、短い時間でも会うためにやってきました。年末は予算の折衝で徹夜も続いているはずなのに、仕事の合間を縫って1時間でも会いに来る姿に接するうちに、「かわいい人だな」と
セックスの相性はそれほどいいとはいえませんでした。しかし、女性は満たされていました。何より、話をしていても飽きることがないのです。女としてだけではなく、人間としての自分の存在をしっかり受け止めてくれているようで、女性にとっては心地よい時間でした。
それから4年半つきあいは続きました。しかし、男性が地方に転勤することが決まり、少しずつ、連絡が少なくなっていきました。遠距離になると、女性は彼の心が徐々に自分から離れていっているのを感じました。
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この人、子どもいましたよね?子どもは、どうやって育てたんですか。また、行政書士て、それだけで食べていけるんでしょうか?
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とてもいいお話でした。
まゆ
山あり谷あり、ハッピーエンドでよかったです。離婚まであと何日かわからないけど、 自分も離婚まで経験するとは思わなかったです。 でも。まぁとりあえ...
山あり谷あり、ハッピーエンドでよかったです。離婚まであと何日かわからないけど、
自分も離婚まで経験するとは思わなかったです。
でも。まぁとりあえず仕事します。
男は友達だけでたくさんです。
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