性とパートナーシップ
yomiDr.記事アーカイブ
触れ合う喜びを取り戻したバツイチ女性(下)いつからでもやり直せる
翌年のはじめ、久しぶりに東京に戻ってきた彼から「話がある」と告げられ、女性は覚悟をしました。自分の家に置いてあった彼のパジャマや下着を紙袋につめ、静かに渡しました。
「年上の女がしがみついてはだめ。もしまだ可能性があるならば、いったん別れても、またチャンスが巡ってくるはずだと思っていました。不思議なことに、私が別れをあっさり受け入れたのを聞いて、彼の方が泣いていました。すごく好きだった相手との別れで、しばらく私は落ち込んでいました」
年下の彼と別れ、また仕事だけの毎日が続いた後、幼なじみで飲食店経営者の男性と再会しました。離婚を2回経験した彼は、20歳代の若い女性と交際していることを自慢し、当時、女性が抱いた印象は「若い女しか相手にしないバカ男」というものでした。
ある時、プチ同窓会のような仲間との心おけない会話で、彼は別れた妻たちの悲惨な思い出をおもしろおかしく語りました。わがままし放題されたり、高価な買い物で散財されたり、「そんな女を選んだ自業自得よ。バカ男」とからかいながらも、普段は明るい彼が、その話をする時にふと見せる傷ついたような表情に、女性は気がついていました。
「スポーツカーに乗って、お金を持っているだけで、女性たちからアプローチされていたようでしたが、これまで、彼の抱えている心のオリをキャッチする人がいなかったのでしょうね。もしかして、彼は、弱みをさらけ出して、話ができる人を求めていたのかもしれません」
彼との出会いで、性の喜びを初めて知ることとなりました。これまでの男性と違って、彼は自分の欲望を押し付けるのではなく、女性の気持ちを尊重しながら、快楽へと導こうとしてくれます。腕枕もこれまでの男性は眠る時にははずしてしまい、背中を向けられるのが常でしたが、彼は決まって朝までずっと女性を抱きしめてくれました。
「結局、女の人は物理的な快楽というよりは、脳で感じているところがありますよね。この人を愛し愛されているということで満たされるわけで、彼はそういう気持ちを抱かせるセックスを初めて教えてくれました。そうしたセックスで満たされて、女としての自信を取り戻せたような気がしています」
女性はその後、独立し、自身のコンサルタント会社を設立しました。彼はそれも応援してくれて、一国一城の主となって忙しい女性に合わせて会う時間を作ってくれます。しかし、再婚する予定はありません。仕事が軌道に乗った女性は、事業を拡大するために、全国各地にも拠点を広げることになったのです。
「これまでのように頻繁に会えなくなれば、前につきあった年下の彼のように心が離れてしまうこともあり得る。そして、私は私らしくいられるこの仕事に責任がありますから」と女性は語ります。
それでも別れることはなく、今も、女性は交際を続けています。仕事でくたびれ果てて帰った夜、無理をしてでも彼と会うと、心からほっとする自分がいます。
「仕事のようにギブ・アンド・テイクではなく、無条件で私を受け入れ、抱きしめてくれる存在を大切にしたいのです。誰かと同化する喜びを共有することは、その人の人生を受け入れること。愛し愛され、求め求められる相手がいる。それは生きていく糧ではないかと思います」
過去を振り返り、女性は改めて思います。
「夫のDVを受けて、セックスレスになった時、私は私の人生をあきらめなくて良かった。女性は『もう何歳になったから』と自分の行動を縛りがちですが、いくつからだってやり直せる。生きがいを見つけるのも、パートナーを見つけるのも、何歳になったってスタートを切るのは遅くないのです。これからも私は、何度でもやり直すし、いつまでも触れ合う喜びを大切にしたいと思っています」(終わり)
2 / 2
【関連記事】
子どもは?
かな
この人、子どもいましたよね?子どもは、どうやって育てたんですか。また、行政書士て、それだけで食べていけるんでしょうか?
この人、子どもいましたよね?子どもは、どうやって育てたんですか。また、行政書士て、それだけで食べていけるんでしょうか?
違反報告
とてもいいお話でした。
まゆ
山あり谷あり、ハッピーエンドでよかったです。離婚まであと何日かわからないけど、 自分も離婚まで経験するとは思わなかったです。 でも。まぁとりあえ...
山あり谷あり、ハッピーエンドでよかったです。離婚まであと何日かわからないけど、
自分も離婚まで経験するとは思わなかったです。
でも。まぁとりあえず仕事します。
男は友達だけでたくさんです。
つづきを読む
違反報告