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中高年にも多い「海外でアバンチュール」にはリスクも

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中高年にも多い「海外でアバンチュール」にはリスクも

英調査

 英国のロンドン大学感染症・ポピュレーションヘルス学部のクレア・タントン氏らが同国に住む16~74歳の男女約1万2,000人を対象に実施した調査から,旅行やビジネス、留学などさまざまな目的で海外へ渡航した経験を持つ英国人のかなりの割合が,渡航先で初めて出会った人との性交渉を経験していることが分かった。しかも,若い人だけでなく35~74歳の中高年も過去5年に性的パートナーがいた人では男性の場合20人に1人,女性では40人に1人に渡航先で出会った人と性交渉を持った経験があったという。こうした経験の持ち主はコンドームを使用しないなど危険な行為に及んでいた割合が高かったことから,タントン氏らは「年齢を問わず,海外への渡航者には健康面のアドバイスの1つとして必ず安全な性行為の重要性について伝えるべき」と呼びかけている。調査の詳細は6月6日発行の英医学誌「Sexually Transmitted Infections」(電子版)に掲載されている。

元気な中高年が増えていることも背景に?

 この調査は2010年から12年にかけて英国内で実施されたもの。「過去5年以内に性的パートナーがいたことがある」と回答した男女1万2,530人のうち,男性は10人中1人,女性は20人中1人に海外に渡航した際に初めて出会った人と性交渉を持った経験があった。

 また,こうした経験の持ち主は若い人に限定されるわけではなく,46~74歳の中高年層でも男性の20人中1人,女性は40人中1人に海外で出会った人との性交渉の経験があったという。なお,16~34歳の若年層では男性7人に1人,女性10人に1人にそうした経験があった。

 さらに,渡航先での性交渉の相手が同じ英国人だったという人よりも,自分とは別の国籍や民族の人だったという人の方が多く,男性の7割,女性の5割を占めていた。

 一方,海外で出会った人と性交渉を持つ人は,複数の人と性交渉を持ったり,コンドームを使用しないなど,危険な性的行動をとる人が多い傾向にあった。また,ドラッグやアルコールの過剰摂取など健康に有害な行動をとる人も多かった。

 さらに,海外で性交渉を持った経験のある男女は,その後,性的な問題のために病院を受診したり,HIV検査を受けたりした人が多かったほか,過去5年以内になんらかの性感染症と診断されたことがある人も多い傾向が認められたという。

 これらを踏まえ,タントン氏らは「旅行者には渡航前の健康面からのアドバイスとして,安全な性行動の重要性についても伝える必要がある」と指摘している。また,今回の調査からは,海外で性交渉を経験する人が若い人だけではないことも浮かび上がったが,これについて同氏らは「近年,年を重ねても元気な人が増えていることが背景にあるのでは。また,高齢になるほど旅行にお金をかけることができる人も増え,パートナーとの別離を経験している人の割合も高まる」と説明。「海外渡航者が高齢でも,若い人と同様のアドバイスが必要だと考えられる」としている。

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kenkohyakka

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