虹色百話~性的マイノリティーへの招待
医療・健康・介護のコラム
第46話 性的マイノリティーの「家探しはつらいよ」
「LGBTが中野に住む」とは?

今回のイベントは中野区の後援をもらったので、メンバーで手分けし、区内各所のお知らせ掲示板に堂々と掲示しました。
最近メディアに躍る「セクシュアルマイノリティー」とか「LGBT」という言葉から、なにをイメージするでしょう。華やかな同性ウェディング? 企業の成長戦略の要といわれる多様性ある人材? ポップカルチャーを 牽引 する才能豊かなアーティスト? 注目を寄せる企業や性的マイノリティーへの理解を表明する「アライ」の人びと? ……関心が高まることで、社会もじんわりと変化を始めているようです。
その一方、この連載ではメディアの「絵」になりにくい、素のままの性的マイノリティーの日常をお伝えできればと思っています。
日常生活の基本は衣食住。性的マイノリティーの場合、私はそれを「医・職・住」と読み替えてみました。入院時の同性パートナーの面会をはじめとする医療での対応、就活や在職中など職場の問題、そして住まいをめぐる性的マイノリティーならではの困難、などなど。
第38話「住民としての性的マイノリティー」 でもご紹介した、中野区内の当事者が結成した団体「中野にじねっと」では、区民・生活者としての視点を大事にした活動を続けています(私も参加しています)。さる5月4日には、「LGBT×住まい~LGBTが中野に住む。」と題したトーク&シンポジウムを開催。区民の当事者スピーカーのほか、中野区役所の住宅担当、大手住宅紹介サイト担当者などが登壇し、区内外から100人を超える参加者を集める、中身の濃いイベントとなりました。
同時に中野にじねっとでは、住宅にまつわるアンケートを実施。同性愛の人、トランスジェンダーの人、さまざまな立場からリアルな声がよせられました。きょうはそれをご紹介したいと思います(メンバーの頑張りで、5月15日締め切りで213件の回答になりました)。
住宅をめぐるネットアンケートの声
性的マイノリティーと住まいの困難といえば、まずあげられるのが、同性カップルでの賃貸難です。
・男性2人というだけで不動産屋から難色を示された。
・年齢差があるカップルだったので、友だち同士という説明ができずに苦労した。
・ルームシェアだと初期費用が2倍になると言われたり、男性2人での入居は身内に限ると言われたり、さまざまな制約がありました。
・女性2人(友だち同士と称する)だと 喧嘩 して出て行くことがあるとのことで、連帯保証人は、自分とパートナーそれぞれ別々に書かされた。
見かけが男女なら、こんなに言われないのでしょうね。トークでは、内見時に女性2人で「寝室は一つでいい」と言ったら、担当者に薄ら笑いされたという体験談も(失礼ね!)。
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