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大谷翔平1人で野球ができないように…医師1人で医療はできない

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それぞれが力を発揮しないと、強い組織にはならない

 この試合を見て思ったことを書きます。

 野球は1人ではできないということ。いくら速い球を投げる投手がいても、それを的確に捕るキャッチャーがいなければ投げられません。そして素晴らしいキャッチャーがいても、27人全員を三振でアウトにしない限り、他のプレーヤーの存在が必要です。

 医療も同じですよ。医師だけでは何もできないのです。いろいろな資格をもったパラメディカルの存在、そして事務方の存在、食事を作る人、電話交換の人、警備の方々、掃除でお世話になっている人たち、それぞれが持ち場で力を発揮しないと、強い組織にはならないのです。

 163キロが出た四回の満塁のピンチも、実は大谷翔平投手は三振を取りに行きたかったそうです。ところが日本最速の球はクルーズ選手にファールにされました。その後、投じた球は三塁方向に強烈な打球として、はじき返されます。それをレアード選手のファインプレーで併殺となって、無失点に抑えることができました。医療も同じですよ。みんながそれぞれの職分で精いっぱい頑張るから安全な医療が提供でき、そして患者さんにいろいろな奇跡が起こるのです。

監督の立場、医療の世界に例えると…

 結果は6対2で、日本ハムは3連敗を免れ、巨人軍の連勝は6で止まりました。

 にわかプロ野球ファンの僕は、最近「監督の立場」で試合を見るのも楽しくなりました。この試合は確かに落としたが、ある程度は計算されていたのかもしれないと。つまり、上手な負け方だったのかもしれないということです。

 まず、連勝中に疲労が () まっていた中継ぎのマシソン投手と、抑えの切り札である沢村投手を2試合続けて温存できました。そして6点は取られましたが、高木投手は8回を投げ切りました。1年間で最高勝率を得たチームが優勝です。昨年優勝のヤクルトは76勝65敗2引き分けで5割3分9厘の勝率です。2リーグ制以降の1年間の最高勝率は、1951年の南海ホークスの72勝24敗8分けで7割5分だそうです。つまり、どんなに強いチームでも、ある程度は負けるのです。だからこそ、上手に負けることも指揮官としての大切な手腕だと思えるようになりました。ぼくは、6失点を背負っても8回を投げきった高木投手を褒めたいのです。

 医療での監督の立場とは、厚生労働省とか学会とか、それぞれが国民全体の福利厚生を願って、よりよいと思える医療や公衆衛生の戦略を描くことに似ています。それは国民全体が幸せになることが目標です。1年間を通してより勝ち星を挙げるということです。

 ところが、そんな戦略の中では、個人が少々埋没することがあります。患者さんにとっては、その試合に勝ってもらいたいのです。自分の人生がより長寿で幸せでありたいのです。全体のための「有意義な捨て試合」のひとつにされたのでは困るのです。

 ガイドラインは全体の勝率向上のための手段です。それを各個人に合わせて利用し、しかしある時は逸脱することも、目の前の試合に勝つためには必要でしょう。

 良い思い出の東京ドームでした。皆さんもぜひ、野球場に観戦に行ってくださいね。想像以上に楽しいですよ。

 人それぞれが、少しでも幸せになれますように。

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