ニャるほど!社会保障
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公的年金は社会全体で支えている
年金 現役世代が支える


お年寄りは
どうやって
生活費得てるの?
日本のお年寄りは原則、65歳になると国から年金を受け取ることができる。お年寄りの家庭が得るお金の約7割は年金というから、なくてはならない存在だ。
年を取った時にもらう年金を「老齢年金」と言うんだよ。若い頃のようには働けなくなり、十分な生活費を稼げないという、誰もが直面する問題を、社会全体で支えているんだ。
自分で貯金しておけばいいと思う人もいるかもしれない。でも、老後の不安がなくなるほどの貯金をできる人はわずかだし、何歳まで長生きするかも分からない。老齢年金が安心なのは、一度もらい始めたら死ぬまで受け取れるからなんだ。
今、年金を支払うために国が使っているお金は年間53兆円以上。このお金は、今働いている現役世代が払う保険料と、税金などでまかなっている。今、年金をもらっているお年寄りたちだって、働いていた頃にはちゃんと年金の保険料を払い、それが当時のお年寄りの年金になっていた。
今の現役世代が年金をもらう時には、また次の世代が支払う保険料や税金が元になって、年金が支払われる。老齢年金はその時働いている世代が、引退した世代を支えるという「世代と世代の支え合い」と考えると分かりやすい。
だからこそ、次の世代の人数が減る少子化が問題なんだ。例えば、2004年度から14年度までに、保険料を払う現役世代は、316万人減った。一方、老齢年金を受け取るお年寄りは、860万人も増えている。この傾向は今後も続くから、支える側を増やす工夫が必要だと言われているよ。
それに、年金をもらうのは、年を取った時だけではない。若い時でも、思わぬ事故や病気で障害を負い、十分働けなくなってしまった時には「障害年金」。お父さんやお母さんなど、一家の稼ぎ手だった人を亡くした家族には「遺族年金」が支払われる。年金は、年齢に関係なく、万が一の時の生活を支える仕組み。保険料を払っていない人は、老齢年金はもちろん、障害年金や遺族年金も原則としてもらうことができない。きちんと保険料を納めることが大切だね。(大広悠子)
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