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大豆の力

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[大豆の力](1)健康と長寿を支える

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[大豆の力](1)健康と長寿を支える

 冷ややっこ、枝豆がおいしい季節がやってきた。手頃な価格の大豆食品が、日本人の長寿を支えているという。だが、若い世代を中心に大豆の摂取量が減り、和食の伝統が崩れつつある。「大豆の力」を見直してみよう。

 大豆食品の代表格の豆腐は、遣唐使により中国から伝えられた。室町時代には全国に広まり、江戸時代になると庶民も食べていた。肉食の習慣がなかった人々には、魚介類とともに大切なたんぱく源だった。

 「健康のために大切な食品は三つのS。大豆(ソイビーン)と魚(シーフード)を、塩(ソルト)を減らしてもっと食べることです」。長寿研究で知られる京都大名誉教授で、武庫川女子大国際健康開発研究所長の 家森やもり 幸男さんは強調する。

 家森さんは20年かけて、25か国・61地域の長寿、短命地域を現地調査した。尿を採取し、どんな栄養をとっているかも調べた。大豆やその加工品を食べている地域は寿命が長く、健康な人が多かった。大豆食品を食べない地域では、血管、心臓の病気が多く、短命なことが多かった。

 中国の長寿地域、貴陽市。貴州省の高原都市で、少数民族も多く、豆腐など大豆料理をたくさん食べる。納豆もあり、大豆食文化の源流と言われる。「稲作に向かない土壌だが、調査した中国十数地域の中で、血圧が低く、肥満も少なく、健康的な人たちでした」と家森さん。

 遺伝的に脳卒中を起こすラットで、病気の予防を研究した。大豆食が鍵を握っていた。「大豆たんぱく質や食物繊維、ミネラルを加えたエサを与えたラットは、脳卒中を起こさず、健康で長生きした。食生活の改善で、病気リスクの高い遺伝子を持つ人も健康で生きられると確信しました」

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