ボクシング元世界チャンピオン 竹原慎二さん
一病息災
[ボクシング元世界チャンピオン 竹原慎二さん]膀胱がん(4)第二の人生満喫…今度は血尿
店員のアルバイトが見つかった。仕事に行く夫を、新妻は温かく送ってくれた。
「世界チャンピオンのプライドを捨てて、今を懸命に生きようと心を切り替えることができました」
母がやっていたように、自分の店を持ちたかった。引退から2年半後の1999年、イタリアンレストランを開店させた。
間もなく、テレビ局から出演依頼があった。バラエティー番組「ガチンコ!」で、若者をボクサーに育て上げる指導を頼まれた。スパルタ指導の鬼コーチを3年務め、高視聴率を支えた。
30歳から通信制高校で学び始めた。また、一般の人が楽しみながらボクシングで体を鍛えられる「ボクサ・フィットネス・ジム」を設立した。世界スーパーフェザー級とライト級の2階級を制した畑山隆則さんと共同で、長年温めていた構想を実現させた。2人は現在も、定期的に直接指導している。
第二の人生が順調に進んでいた時だった。2013年初め、頻尿が気になった。すぐトイレに行きたくなるが、出ない。出ても残尿感がある。医者に「
「飲み過ぎだ」と言われて断酒したが、良くならない。熱い痛みの排尿痛が出てきた。「前立腺肥大」とも言われ、正確な治療ができずに1年がたった。大みそか、ついに血尿が出た。
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ボクシング元世界チャンピオン
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