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発達障害の疑いのある夫との関係性について(寄稿)

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発達障害の疑いのある夫との関係性について(寄稿)

 私の、現在別居中の夫は、発達障害…だと思います。だと思います、というのは、正式に本人が受診して診断をはっきりと受けたわけではないからです。

 が、私は、そうなんだろうなあと確信しています。長男には発達障害の傾向が見られ、その主治医にもお話をして、実際に夫も診察室で会っていただきました。その主治医からも、お父さんもその傾向があるようですね、と言われました。

 また、その長男を発達障害支援のセンターに連れて行くまでには、ご多分に () れずあちこちで調べまくるというプロセスがあったわけですが、その過程において「あ、これ、パパも同じだ」と思い当たる節がたくさんあったのです。 その過程で、いく人かの専門家にご相談しましたが、その度に「その可能性が高いですね」と言われたのです。が、困っているのは私ばかりで、夫自身の一番の困りごとはおそらく「妻がやたらとうるさい」ことであり、自分の特性については、その傾向は自覚しているようですが、それほど困ってはいなかったのです。

 しかし、ここで明言しておきたいのが「彼が発達障害かどうか、正式に診断されているかどうかは、どうでもいい」という点です。

 重要なのは、私と彼との間に、コミュニケーションにおける困難や、著しい行き違いがあり、そしてそれが双方にとって、結果的にかなり (つら) いものなのだ、ということだと考えています。診断の有無は問題の本質ではありません。また、すでにその診断を受けておられる方たちの特性を、欠点として捉える必要はないと考えています。

 また、人のことを発達障害だとあれこれ言っている私自身も、ADD(注意欠陥障害、ただし多動の傾向は薄く、不注意優勢型)の傾向が見られると主治医から言われたこともあります。最近自覚したのですが私は被虐待児でしたし、原因は何にしても、私も定型発達(発達障害に当てはまらないこと)の大人とはいえません。 所詮(しょせん) 同じ穴の (むじな) なのですから。

 私が別居に踏み切った最大の理由は「我が子の父親を、憎みたくなかったから」でした。小さな理由はまだまだたくさんあります。でも、これ以上無理して一緒にいても、お互いが理解し合うことは到底なさそうだし、いら立ちばかりが募っていく。それならばいちばんいい状態でいられるのは?と長く考えた結果、一緒に生活しないこと、私が彼の存在をあてにしないこと、もうこれ以上、彼のあら探しをして、彼に私の要望を突きつけなくて済むようにしようと思い至ったのです。

 その頃には、夫も、 些細(ささい) なことで腹を立てては、息子にだけ 怒鳴(どな) りつけたり殴ったり蹴ったりするようになっていました。昼寝していると (たた) き起こすとか、いきなり「宿題やっていないだろう」と怒鳴りつけるとか、そんな風でした。それはたいてい私と言い争った直後なので、八つ当たりではないかと問い詰めると、怒ってはいないし、息子に必要なことを言いきかせているだけだと言い張りました。下の娘には甘いお父さんでしたが、当の娘は、訳も分からず急に怒られるお兄ちゃんがかわいそうだと泣いていました。娘自身も傷ついていたと思いますが、夫はそんなことには頓着しない人です。そんな子どもたちの逃げ場を確保したい、というのは私が別居を決意した動機の一つでもありました。

別居して1年と少し、ずいぶん気が楽に

  今、別居して1年と少しが過ぎました。ずいぶん気が楽になったと自分でも思います。友人たちに言わせると、かなり明るくなったそうです。笑顔を作るのが苦にならなくなりました。2人の子どものうち、下の娘は基本的に私と一緒に生活しています。上の息子はもう大きいので、必要な時には母親のところへ来ますが、生活環境の変化がない父親との生活を選択しました。あんなに理不尽な扱いを受けても、息子にとっては大好きで大切な父親なのです。私にもそういう経験がありますから、心配もありましたがその気持ちは受け入れることにしました。私が暮らしているのは元々の家から徒歩2分ほどの距離で、子どもたちが自分の意思で居場所を選べます。週末は父子3人で過ごすのが基本になりました。

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性とパートナーシップ201505_120px

岩永直子(いわなが・なおこ)

1973年、山口県生まれ。1998年読売新聞入社。社会部、医療部を経て、2015年5月からヨミドクター担当(医療部兼務)。同年6月から2017年3月まで編集長。

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17件 のコメント

その2

ACです

止水さん、障害の出方は人様々です。決めつけない方が良いと思います。 発達障害はひとくくりではありません。幸せな夫婦だっていくらでもいますよ。 真...

止水さん、障害の出方は人様々です。決めつけない方が良いと思います。
発達障害はひとくくりではありません。幸せな夫婦だっていくらでもいますよ。
真面目さや勤勉さ、正義感など、美徳のみ顕著な場合も本当にあります。
「やっかいだよね」と言われる人は一部で、「変だよね」で愛されている人はたくさんいます。

自分の親の兄弟は同じように発達障害のある人が数名いますが、その子で引き継いでいる人はいません。親から言われるべきではないことを言われてかわいそうに見える場合は、いまだにありますけど。

あなたの文面からは、うまく行かない人達の最大要因と思われる、自己中だったり残酷だったりしつこく押しつけがましい感じは受けません。リアルでこだわりや行動が極端で制御に問題があるならまだこれからも改善していけると思います。

発達障害だからうまく行かないのではなく、発達障害が原因で何らかの良くない言動が出たり行動が取れない人がいて、そのような行動が極端な人達がうまく行かないのだと思います。子供に仮に出たとしても、今は教育スキルが発達してますよね。長所のみを生かせるチャンスは増えていると思います。もちろん、ご自身が望まないなら子をなさない選択も可能ですし、これから年齢を重ねたらそういった選択のほうが相手に受け入れられる場合が増えるでしょう。

もし、暴力的、攻撃的な面があるために人と距離を置かなくてはならないのなら、それは発達障害に限りません。直すか諦めるかの二択だけですね。それ以外は、許せない行動の取り合わせの良い人が見つかるかも知れません。自分の方が時間を守れないのなら時間に大らかな相手を探す、自分が時間にこだわるのなら守る相手を探すなど。良い出会いがありますように。

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通りすがりです

ACです

親とパートナーが軽度の発達障害です。たまたま性格が謙虚ですが、それのない人達がさらに大変というのは容易に想像がつきます。 実際に対応するのは大変...

親とパートナーが軽度の発達障害です。たまたま性格が謙虚ですが、それのない人達がさらに大変というのは容易に想像がつきます。

実際に対応するのは大変だろうとは思いますが、お子さんがいるだけしあわせだと思います。私はいませんので。

話は逸れますが、カサンドラの人に問いかけの形の人がいますがやめた方が良いと思います。なぜ言わなければわからないのか、こんなこともわからないのか、問われるだけで一々うるさいという怒りに満ちていたり、うんざりな人は多いと思います。文面を見るだけで正直ぎょっとしました。

専門家や第三者、親であれば、本当にわからなくて聞いているのだという前提を認識し、惑わされずにとにかく繰り返す、はっきり言いつづけるという対応を取れるでしょう。しかし、普通に結婚したパートナーにとっては、なぜ普通のことがわからない、なぜわざわざ言わなくてはわからない、普通の人の何倍も説明がいる、しかも言っているのに通じない、疲れる、いい加減にしろとしかなりません。それは反面、健常者相手と同じように、相手の言い分も聞いてあげようとしているということでもあるんです。

しかし、発達障害の人から発せられるのは、一見理詰めで、より頭が良かったり弁の立つ人ではないと返せない質問の数々。実際にはほころびだらけで、だからこそ平気で奇妙な結論に至る。
理詰めの反論にも上げ足とって攻撃。他には都合の悪い部分をスルー、次の瞬間には聞いていない、忘れる、別の興味など。
まともなコミュニケーションを取れない。程度問題が異常なだけなので言葉にしにくく、他の人に愚痴ってもわかってもらえない。
コミュニケーションが無理なんです。だから距離しかないんです。

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自分が病気になる前に

たまこ

家の旦那も多分発達。 2人の時はあーもう仕方ないなぁで済ませていたけれど 子供が出来たらそうではない。 子供たちもなんとなくわかってきていて、期...

家の旦那も多分発達。
2人の時はあーもう仕方ないなぁで済ませていたけれど
子供が出来たらそうではない。
子供たちもなんとなくわかってきていて、期待もしていない。
子育てには全く参加しないので
完全に同居人のATM扱い。
残念ながら息子も発達障害。
療育、頑張ってます。
発達障害のパートナーは自分が病気になる前に逃げた方がいい。
子供が発達にならないためにも逃げて!

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