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村田由香里さんインタビュー(下)指導者として「自分の体を知り、しっかり食べよう」

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村田由香里さんインタビュー(下)指導者として「自分の体を知り、しっかり食べよう」

選手に演技のアドバイスをする村田さん

 新体操の元日本代表で、日本体育大学新体操部監督の村田由香里さん(34)のインタビューの最終回です。新体操という競技の特性や、日本代表「フェアリージャパン」のこと、指導者として教え子や後輩たちに伝えたいことを語ってくれました。

         ◇

 新体操は、手足が長くて細身の体形の方が有利だというお話がありました。

村田さん(以下M)  採点競技なので、選手が出てきてフロアに立った瞬間に、華があるなと思わせる人と、そうじゃない人とでは審判に与える印象が違います。だから、体形も少なからず影響すると思います。高校生になった頃、アジア、四大陸の枠から出て、世界で新体操が強いロシアなど欧州の選手たちとも試合で戦うようになったのですが、その人たちの体形が、あまりにもアジア系の自分と違うことに 愕然(がくぜん) としました。そこから体形がコンプレックスになりました。せめて細い体形を保たないと、と思ったことを覚えています。対抗するにはどうすればいいか、自分の武器を探そうとも思いました。

 健康と適正体重、体形の維持。新体操選手はバランスを取るのが難しそうに見えます。

 その時期のルールや、どんな選手が世界のトップにいるかによって、評価の傾向が変わってくるのもこの競技の特性です。今、世界のトップにいるのは、女性らしい体形の選手。表現力が求められ、体が細すぎるよりもバランスの取れた体形の方が評価される傾向にあると感じます。シドニー五輪前は、すらっとした細身の選手がトップにいました。難度の要素をたくさんしなければいけなかったアテネ五輪までの4年間は、小回りが利く、少し小柄な選手の方が上に行きやすかった。今は、団体ではアクロバティックな動きが増えているので、以前よりもけがをしやすくなっているかもしれませんね。女子選手が無月経や疲労骨折の問題を抱えている実情が少しずつ知られるようになり、また、新体操はそのリスクが高いと指摘されたことで、現場の指導者、見守る保護者の問題意識も高くなってきていると感じます。

 実際には、女子日本代表「フェアリージャパン」の選手たちは、きちんと食べて、動いて、体重管理をするスタンスだそうですね。

 日本体操協会の新体操の強化部スタッフとして関わっていますが、代表チームでは、食べて動いて管理する意識が共有されています。ファンの方たちが想像する以上に、量もしっかり、バランスよく食べているのではないかと思います。所属先での活動が中心だと、選手個人の体重管理法が見えにくいのですが、今はナショナルトレーニングセンター(NTC、東京)で合宿生活を送り、代表メンバーが一緒に過ごす時間も長くなり、トップ選手はトレーニングに見合った食事について指導を受ける機会も増えました。周りを見ながら選手たちも学んでいるし、食事に対する意識も大きく変わりました。「太りやすい体質だから、ダイエットのために走っている」という子もいると思いますが、トップでは、食べないでやせるという極端な選手は見かけません。フェアリーの選手たちがお手本になってくれています。

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佐々木栄(ささき・さかえ)

 1978年、兵庫県生まれ。2002年、読売新聞社入社。福山支局、大阪社会部などを経て、13年から医療部。大阪社会部では連載「約束~若年性乳がんを生きて」「性暴力を問う」などを担当。医療部では、がん、臓器移植などを取材している。小学~高校は陸上競技に熱中した。右肩に脱臼癖がある。

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