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ホームホスピスの役割について

かもちゃん

ホームホスピスで働いて1年。数名の方の旅立ちに立ち会わせて頂きました。
そこで感じたのは、ご家族の不安をどうしたら解消できるか、ということです。
多くのご家族は身内の方がもうすぐ亡くなることを懸命に受け入れておられますが、いざ身体に様々な変化、喉がゴロゴロ鳴ったり、落ち着かずに唸ったり手足をバタつかせたりされるなど、が現れ始めると苦しがっているのではないか、と心配されます。事前に医療職から、それらは決してご本人にとっては苦痛ではないこと、自然な経過だということを説明されていると、うろたえずに最後の大切な時を穏やかに一緒に過ごせるようです。
優しく話しかけたり、昔の思い出を語り合ったり、冷たくなり始めた手足をさすって温めたり、添い寝したり、と結局はお互いに触れあって体温のぬくもりを伝えることが旅立つ人、見送る人それぞれに大切かと感じました。
家族を看取ることは心身ともに大きなストレスです。昔のように近所の人が集まって何かと助け合っていられたならともかく、今は看取る側の家族は孤立しやすく、不安や疲労を分かち合える周囲からの支えは得にくいのが現状。
ホームホスピスの役割は、ご家族が自分たちでお見送りできるためのエンパワメントでもあると考えています。もちろん、お一人の方には私たちが家族のようなつもりで接します。ただ、最期に口にされるのは父母や夫や妻、子供の名前。
その意味で、私たちは家族のような気持ちで支えるけれども、長い間の生活の積み重ねや愛憎の詰まった「家族」には及ばない。そこはわきまえておく必要があると思っています。

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