文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

がん診療の誤解を解く 腫瘍内科医Dr.勝俣の視点

医療・健康・介護のコラム

がんに効く?食事療法の嘘(下)食事療法を信じていたNさんの話

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

自然療法の結末

 このような自然療法を続けていくのは、かなり大変なことだと思いますが、
 Nさんは、自分のがんを治すためと思い、必死にがんばったそうです。

 このような療法で本当に効果があってくれればよいのですが、
 Nさんのがんは、半年後に再発してしまいます。

 再発後も、Nさんは、自然療法を続けました。

 ひげの先生は、
 「効果がないのは、あなたの反省が足りないからだ」と言い、
 毎回、反省文を書かせたそうです。
 その反省文も、
 「できが悪い」
 と、毎回書き直しだったそうです。

 Nさんは、とうとう胸に、胸水がたまってきて、息ができなくなり、病院に緊急入院し、ドレーン(排液するための管)で胸水を抜きました。

 Nさんは、このような状況になり、やっと抗がん剤をやる気になったそうです。

がん情報の間違った洗脳?が解ける

 私の外来を受診した時には、まだ、Nさんの洗脳?ともいうべき思い込みがかなり強かったのですが、丁寧にお話をしていくと、次第にNさんの誤解が解けていきました。

 「がんとうまく共存していくこと」
 「抗がん剤は通院でできること」
 「副作用は何らかの対処が必ずあり、対応可能であること。がまんせず、言ってほしいこと」
 「抗がん剤治療をやりながらも、自分の楽しみができること」
 「食事には特に制限はなく、おいしいものを楽しく食べることが一番良いこと」
 「家にじっとしている必要はなく、いつでも出かけてよいこと」
 「生活の質を大切にしていくことは、がんの治療の一つと考えて良いこと」
 などなど

 Nさんにとっては、どれも初めて聞く内容で、驚かれたようでしたが
 実際に、抗がん剤を始めて、副作用にもうまく対処でき、改めて、私の話を信じてくれるようになりました。

 抗がん剤もよく効き、胸水がなくなり、Nさんは、今ではすっかり元気になりました。
 大好きなフラダンスもできるようになり、毎日、楽しく過ごしています。

 最初の外来のときは、泣いてばかりいましたが、
 今では、「毎回の外来が楽しみ」と笑顔で通ってくれています。

2 / 3

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

katsumata

勝俣範之(かつまた・のりゆき)

 日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科教授

 1963年、山梨県生まれ。88年、富山医科薬科大卒。92年国立がんセンター中央病院内科レジデント。その後、同センター専門修練医、第一領域外来部乳腺科医員を経て、2003年同薬物療法部薬物療法室医長。04年ハーバード大学公衆衛生院留学。10年、独立行政法人国立がん研究センター中央病院 乳腺科・腫瘍内科外来医長。2011年より現職。近著に『医療否定本の?』(扶桑社)がある。専門は腫瘍内科学、婦人科がん化学療法、がん支持療法、がんサバイバーケア。がん薬物療法専門医。

がん診療の誤解を解く 腫瘍内科医Dr.勝俣の視点の一覧を見る

1件 のコメント

コメントを書く

詐欺行為を許せない

不安

このヒゲの先生、詐欺師だと思います。患者さんの弱みにつけこんでいるので、尚更悪質ですね。おそらく、勝俣先生も、ヒゲの先生のことを悪質な詐欺師だと...

このヒゲの先生、詐欺師だと思います。患者さんの弱みにつけこんでいるので、尚更悪質ですね。おそらく、勝俣先生も、ヒゲの先生のことを悪質な詐欺師だと思っていらっしゃると思います。
詐欺行為は立派な犯罪だと思います。なぜこのようなヒゲの先生が警察のご厄介にならないのか。おそらくは、患者さんに依頼されたから私は面倒を見たのだ、と言うのではないかと思います。
ヒゲの先生、もし医者でないなら「医療行為」はできないはずですし、もししたら犯罪行為です。精神修行的な道場主なのでしょうか。だとしたら周囲からは文句が言えないかもしれませんね。
もし万が一お医者様であったら、これはもう、日本の医学教育が根本から揺らぐ事態だという気がします。
わらにもすがる思いの弱い立場の患者さんが可哀想過ぎます。こんな詐欺被害にあう患者さんが一人でも救われるよう、まともなお医者様たちはもっともっと警鐘を鳴らすべきではないでしょうか。

つづきを読む

違反報告

すべてのコメントを読む

コメントを書く

※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。

※個人情報は書き込まないでください。

必須(20字以内)
必須(20字以内)
必須 (800字以内)

編集方針について

投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、読売新聞オンライン、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。

コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。

次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。

  • ブログとの関係が認められない場合
  • 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
  • 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
  • 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
  • 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
  • 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
  • 事実に反した情報を公開している場合
  • 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
  • 個人情報を書き込んだ場合(たとえ匿名であっても関係者が見れば内容を特定できるような、個人情報=氏名・住所・電話番号・職業・メールアドレスなど=を含みます)
  • メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
  • その他、編集スタッフが不適切と判断した場合

編集方針に同意する方のみ投稿ができます。

以上、あらかじめ、ご了承ください。

最新記事