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「治療の前に減量」が不妊解消の近道か―米調査

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「治療の前に減量」が不妊解消の近道か―米調査

多嚢胞性卵胞症候群+肥満なら成功率2.5倍に

 卵巣機能がうまく働かず、排卵されにくくなる多嚢胞性卵胞症候群(PCOS)は、不妊症の原因としても知られ、決してまれではない病気だ。そのPCOSがあり、かつ肥満の女性が不妊治療を受ける場合、すぐに治療を開始するよりも、まず減量してから治療を始める方が、治療の成功率が2.5倍に高まることが、米国で実施された調査から明らかにされた。高齢になるほど妊娠しにくくなることから、子供を望むカップルはできるだけ早く不妊治療を始めた方が良いと考えられているが、PCOSがある肥満の女性に限っては、それが当てはまらない可能性が示された。調査結果の詳細は、5月12日発行の米医学誌「Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism」( 電子版 )に掲載されている。

1周期当たりの排卵率も向上

 調査を実施したのは、米ペンシルベニア州立大学医学部産婦人科のリチャード・レグロ氏ら。PCOSで肥満(BMI=肥満指数=27~42)の女性(18~40歳)を対象に実施された2件の研究データを分析したところ、排卵誘発剤(クロミフェン)を使用した不妊治療(タイミング法)をすぐに開始した女性187人に比べ、同じ内容の不妊治療を開始する前に減量プログラム(カロリー制限、運動、薬による肥満の治療)を受けた女性142人では、周期当たりの排卵率と出産に至った割合がいずれも高かった。中でも出産に至った割合は、前者の10%(187人中19人)に対して後者では25%と、2.5倍に達していたという。

 高齢になるほど妊娠しにくくなることから、子供が欲しいと思ったカップルはできるだけ早く不妊治療を開始した方が良いと考えられている。しかし今回の調査からは、PCOSがある肥満の女性に限っては、早く治療を開始することよりも、減量を優先した方が、最終的には不妊治療の成功率が高まる可能性が示された。

 ただ、調査を実施したレグロ氏らは「今回は2件の研究データを分析しただけであり、この結果を実際の治療に取り入れる前に、改めて治療を遅らせて減量を優先することによる影響を調べる研究が必要」と説明。また、「今後の研究ではクロミフェン以外の排卵誘発剤の効果も合わせて調べる価値があるだろう」との見解を示している。

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