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医療部長・山口博弥の「健康になりたきゃ武道を習え!」

健康・ダイエット・エクササイズ

転倒予防に後屈立ち・前屈立ちを

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 私が小学校低学年の時、クラスにいじめっ子がいました。大勢で1人をいじめるというよりも、1人のいじめっ子が数人の取り巻きと一緒に、クラスのみんなに無差別に暴力を振るっていたのです。

 マンガを描くのが得意だった私は、一目置かれていたせいか、それほど被害を受けなかったのですが、それでも時々、彼らに暴力を振るわれました。それに対し、私は何も抵抗できませんでした。「ちきしょう! いつかきっと仕返ししてやる!」などという反発心もありません。ただ、悲しかったのを覚えています。今思えば何とも情けない話ですが、そういう弱い部類の子どもだったわけです。

 3年時のクラス替えでいじめっ子とは別のクラスになり、以来、暴力とは無縁の学校生活を送りました。そして6年生の春。ある映画が、ひ弱だった私に強烈な衝撃を与えたのでした。

 「燃えよドラゴン」。言わずと知れた武道家ブルース・リー主演の大ヒットアクション映画です。

 この映画への思いについては、過去のヨミドクターブログ「ヨミドク映画館」( /article/20121122-OYTEW61593/ )に詳しく書いているので、お時間のある方はそちらをご覧下さい。

 さて、この映画で「武道」の魅力を知った私は、すぐに近くの空手道場に入門し、肉体の鍛錬に励み、いつしか心も強くなった・・・・・・のなら話としておもしろいのですが、決してはそうはなりませんでした。

 現実は、小遣いをせっせとためて、ブルース・リー映画のサントラ盤(シングルレコード)やブルース・リーの写真集を買い込み、映画の場面を思い出して一人悦に入っていました。部屋の天井の照明から垂れ下がったひものスイッチを、回し蹴りをまねて蹴ったり、黒いビニールテープを巻いた「すりこ木」2本を鎖でつなぎ、ヌンチャクを作ったり。小学6年の「お楽しみ会」の劇では手製のヌンチャクを振り回しながらブルース・リーのまねをしましたが、気分が良かったのは私だけで、たぶん級友や先生たちは苦笑していたでしょうね。

 つまり、武道に目覚めた私は、自分を鍛えて強くなることよりも、「ドラゴン・オタク」の方向に走ったのでした。

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山口 博弥(やまぐち・ひろや) 読売新聞東京本社医療部長

 1962年福岡市出身。1987年読売新聞社入社。岐阜支局、地方部内信課、社会部、富山支局、医療部、同部次長、盛岡支局長を経て、2016年4月から現職。医療部では胃がん、小児医療、精神医療、痛み治療、高齢者の健康法などを取材。趣味は武道と瞑想めいそう。飲み歩くことが増え、健康診断を受けるのが少し怖い今日このごろです。

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1件 のコメント

育成年代における姿勢と筋力と動作巧緻性

Fired radiologist 寺田

フェイスブックで小学生に筋トレを教える話を見ました。 個人的には体に負担のない範囲で、筋トレや武術、スポーツに取り組むのはいいと思います。 なぜ...

フェイスブックで小学生に筋トレを教える話を見ました。

個人的には体に負担のない範囲で、筋トレや武術、スポーツに取り組むのはいいと思います。
なぜなら、昔に比べて、外遊びする時間が圧倒的に減っているからです。
スポーツをやらせるにも下地になる体力や経験の不足が問題になることもあります。
実際、出入りしているスポーツ施設でも、若い世代に動作の巧緻性以前の基礎的な問題を目にします。
あんまり真面目なことばかり言っても、運動・競技参加者が減って良くないのですが、一方で、大きな怪我を発生させないためにも、合理性のある姿勢や動作、最低限の筋力を養っていく必要を感じます。

もちろん、若い年代に限らず、ある程度年をいっても、筋力や神経の維持する効果はあるので、スポーツでも、武術でも、筋トレでも習慣を作って行う必要があると思います。
長続きする楽しさや達成可能な目標が大事なことを健診でいつもお話ししています。

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