予防医学研究者・石川善樹の「続けたくなる健康法」
医療・健康・介護のコラム
人生100年時代(上)何のために毎朝起きるのか
こんにちは。
予防医学研究者の石川です。
いきなりですが、「ブルーゾーン(Blue Zone)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
世界を見回すと、なぜか極端に長寿者が多い地域があります。そのような地域を「ブルーゾーン」というのだと最近知り合いの先生から教わりました。
世界で極端に長寿者が多い地域「ブルーゾーン」
興味を持って調べてみると、今のところ「ブルーゾーン」として認定されているのは次の5地域のようです。
○ 沖縄(日本)
○ オリアストラ県(イタリア・サルデーニャ島)
○ ニコヤ半島(コスタリカ)
○ ロマリンダ(アメリカ・カリフォルニア州)
○ イカリア島(ギリシャ)
そもそも「ブルーゾーン」という概念を提案したのは、ベルギーの人口統計学者であるプーラン教授です。2004年、「実験老年学雑誌」に発表した次の論文がきっかけです。
「サルデーニャ島の中でも際立って長寿な地域の発見」
出典(英文)http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0531556504002141
プーラン教授は分析の結果、サルデーニャ島の中で際立って長寿男性が多い地域を発見します。それが島の中央東に位置するオリアストラ県で、その地域のことを「ブルーゾーン」と名付けたことがきっかけのようです。
ちなみにその論文の中では、何が長寿に影響しているのか不明である、と書かれているのですが、その後ナショナル・ジオグラフィック協会のビュイトナー氏らとともに丹念に調査を行い、今では健康長寿に貢献する要因がいくつか分かってきました。
それが一体何なのかということは次回詳しく話しますが、一つだけお話しすると、「生きがい」というのがあります。これは沖縄での調査から分かったそうなのですが、「何のために毎朝起きるのか?」ということが長寿には大事だと報告されています。
新たな社会モデルの参考に
こうして私が「ブルーゾーン」の話をしているのは、4月に小泉進次郎さん(自民党・衆議院議員)が発表されたある提言がきっかけです。
「レールからの解放―22世紀へ。人口減少を強みに変える、新たな社会モデルを目指して―」
参照:https://www.jimin.jp/news/policy/131960.html
この提言は「人生100年時代」の本格的な到来を見越して、これからの日本の在り方について方向性を出したものです。これほどの長寿国家は人類の歴史を見ても類はないと思いますが、しかし参考になる地域はあります。それが「ブルーゾーン」です。
次回もこのトピックについて考えていきたいと思います!
それではまた。
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