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佐々木栄記者のスポーツと健康のツボ

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村田由香里さんインタビュー(中)体重計の数字より、自分の感覚を大事に…

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チームワークを磨く団体の選手たち

 全日本選手権の個人総合6連覇も、体調を崩した後なのですね。

 体をつくるコツをつかめたこと、それから、日本代表と東京女子体育大で教わっていた秋山エリカ先生の存在が大きかったです。秋山先生は全日本で6連覇された大先輩なのですが、体重のことは言わず、自主性を尊重してくれました。「冬場は体重が増えるもの。だから、ちゃんと食べてね」と言われた言葉を覚えていますし、私があっさりしたものばかり食べていたら「もうちょっとしっかり食べなきゃいけないよ」と気遣ってくれました。シーズンに向けて体をつくる時期には「ちゃんと絞っているね」「合わせるのがうまいね」と、背中を押してくれました。その細やかな気配りに救われましたね。

 周囲の仲間の食生活を見て、何か感じることはありましたか。

 おにぎりとポテトチップスのどちらが軽いかを比べて、お菓子を選んで食べるなど、極端な食生活をしている仲間もいました。確かに「ご飯」は食べていない。我慢して食事制限をしているという意識は強いのでしょうが、実際には栄養バランスが悪く、脂肪を燃やせない、筋肉が付きにくく、やせにくい体になってしまったのではないかと思います。その場の体重測定をしのいでも、長い目でみると結局、体重は増えてしまい、また無理なダイエットをするという悪循環です。ハードな練習を続けていたら、体重は減るはずなんです。先生たちも「裏で絶対に何か食べているんでしょう」って言っていました。試合前、食べずに無理してやせて、試合後、リバウンドで10キロぐらい戻すような選手もいました。

 新体操は無月経や月経不順の選手が多く、疲労骨折のリスクも高いと言われます。村田さんは現役時代、どうでしたか。

 初経は少し遅かったのですが、高校生になってたくさん食べるようになって生理が来たのだろうなとは感じていました。2000年のシドニー五輪の前、合宿生活が増え、家で母のご飯を食べる機会が減ると、定期的にあった生理が来なくなりました。栄養バランスが崩れている中で無理に体を絞ったため、生理も止まったんだと思います。けがについては、足の親指を疲労骨折したことはありますが、幸い、選手生命に関わる大きなけがはなかったです。

 その後、月経周期に変化はありましたか。仲間内で話すことはありましたか。

 食事を見直してからは、シーズンオフになると生理は戻っていました。少し体重が増えたからか、オフで緊張感から解放されるからなのか。完全に止まってしまったわけではなかったです。現役最後の年は、シーズン中も生理が定期的に来ていました。理由は分からないです。体重もトレーニング法も以前と変わらないので。「これで選手生活が終わる」という心の余裕が関係していたのかもしれませんね。私自身、生理痛や月経前症候群はなく、メンバーの間でそういった話をすることはなかったです。生理痛がひどい仲間もいましたが、当時は「私は止まっているから、大変な思いをしなくていい」程度の認識でした。

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yomidr 佐々木イラスト

佐々木栄(ささき・さかえ)

 1978年、兵庫県生まれ。2002年、読売新聞社入社。福山支局、大阪社会部などを経て、13年から医療部。大阪社会部では連載「約束~若年性乳がんを生きて」「性暴力を問う」などを担当。医療部では、がん、臓器移植などを取材している。小学~高校は陸上競技に熱中した。右肩に脱臼癖がある。

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